第2章:秘密の部屋

□秘密:猫と部屋
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ドンドンドンッ!


『ハグリッド!ハグリッドいる!?』
「アリサ、もう少し静かに…」
「どうしたんだ?お前さんたち。」
「ロンが大変なんだ!」


一通り状況を聞いたハグリッドは、大きく頭をひねり考える。


「ん〜、専門の道具がねぇとどうにも…自然に止まるのを待つしかねぇな。」
「ぅえっ…うぅ…」
「しかし、誰を呪うつもりだったんだ?」
『マルフォイだよ。』
「よく分かんないけど、ハーマイオニーのことをひどい呼び方してたんだ。」
「…穢れた血ですって。」
「なんと…そんなことを?」


ハーマイオニーの口から発せられた言葉に、ハグリッドは目を見開き驚いた。


「どういう意味?」
「血が汚れてるって意味よ。マグル生まれの魔法使いを蔑む言葉なの。両親とも魔法使いじゃない私のような人間に使うのよ。」
「魔法使いにゃ、純潔だから偉いと思いこんどる奴らがいるんだ。」
『最っ低な人種よ。』
「それで、怒ったロンがマルフォイに魔法をかけようとして、自分に戻ってきちゃったんだ。」
「今時、ほとんどの魔法使いにはマグルの血が入っとる。第一、俺たちのハーマイオニーに使えねぇ呪文はひとっつもねぇぞ。」
『本当よ。』
「おいで。気にするこたぁねぇ、ハーマイオニー。お前さんは自信を持ってええぞ。」
「ありがとう。」
「でも…ウエッ…アリサがあそこまで怒ったのも…おえっ…ぅ……すごかったな。」
『今でも腸が煮えくり返る思いだよ、本当に許せない!』


その後、ロンはそのままハグリッドのところで治るまでいることになり、アリサたちは先に校舎へと戻ることになった。


「僕、ロックハートの罰則を受けないといけないんだった…」
『…うわ、嫌なこと思い出した。』
「?…でも、ハリー、それは行かないとダメよ?私たち、先に大広間に行ってるわ。ロンも後で合流できると思うし。」
『ハーマイオニーは強いね。』
「あら、みんなが勇気付けてくれたおかげよ。」


ハリーとは入り口で別れ、ハーマイオニーとは夕食後に約束をして、そのまま地下教室へと向かった。


「今日は来ないと思ったのだがね。」
『スネイプ先生のところの寮生と一悶着あったので遅れました。でも、きちんとします。』


先の出来事があって、アリサは冷静になることができなかった。
頭にはずっとマルフォイが発した言葉がぐるぐると回っていた。


『スネイプ先生は…魔法使いに大切なのは血統だと思いますか?』
「なんだ、突然。」
『いえ、マルフォイが……穢れた血と…』
「!…ヤシロに言ったのかね?」
『いえ、私の友人にです。』
「……」


アリサは、スネイプが過去に好きだった人に言ってしまった言葉だと、今でも後悔している原因となっている言葉と知っていながらスネイプに問う。


「…愚問だな。」
『……』
「魔法に血統など…関係ない。だが、この魔法界が誕生した経緯を見れば純血が優先されることもあるやもしれん。」
『……私は…この世界のどの人種にも当てはまりません。でも、魔法も使えるし血筋なんて気にもしてませんでした。』
「…」
『助けたい、守りたいと思って動いていても魔法を使っていても、それが穢れた血とか純血とかで左右されるのは我慢できません。』
「それは、」
『なので、マルフォイには喧嘩を売ってしまいました。』
「ちょっと待て、なぜそうなる?」
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