第2章:秘密の部屋

□秘密:穢れた血
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血統がなんだ!
そんなもの何の役にも立たない!!





授業が休みの今日、ホグワーツでは生徒がそれぞれの時間を過ごしていた。
アリサはハーマイオニーと一緒に競技場へと続く中庭で勉強している。

そこにクィディッチのユニフォームに着替えたハリーとリーダーのウッドが通った。


「新しい練習法を編み出したんだ。今日は遅くまでハードだぞ、ハリー。…あぁ、嘘だろ…」
「?」
「スリザリンチームだ…どこ行くんだ、フリント?」


グリフィンドールとスリザリンチームがぶつかり合う。
どうやら、競技場の件でもめているようだった。しかも、スリザリンチームには、あのドラコ・マルフォイもいた。

アリサはハーマイオニーが飛び出さないようになんとか気を散らそうと思ったが、本を置いてさっさと行ってしまう。


『ちょ、ハーマイオニー待って!』
「アリサも行きましょう。またマルフォイが何かするに決まってるわ!」
『でも!今回は上級生もいるし、クィディッチのことなんだから任せましょう?』
「何言ってるの!グリフィンドールのピンチにグリフィンドール生が黙認できるわけないじゃない。」
「あ!ハーマイオニー!…もうっ」


止めきれなかったアリサはハーマイオニーの後を追って輪に加わる。
気づけば、ロンや他の生徒も集まってきていた。


「あ〜もめそうだぞ。」
『ロン、静かに。』
「スネイプ教授が新しいシーカーの教育のため許可する?誰だ?」
「僕さ。」
「マルフォイ!?」
「その通り、それだけじゃない。ドラコの父上が新しい箒もくださった。」
「ニンバス2001だ…」
「どこかの親と違って、いいものが買えるからね。」


ここまでのやりとりを聞いていたハーマイオニーが前に乗り出す。


『だめ!ハーマイオニー!』
「グリフィンドールはお金じゃなくて、才能で選ばれてるわ!」
「お前の意見なんて聞いてない、この穢れた血め!」
「っ!?」
「「「「なっ」」」
「マルフォイ、よくもハーマイオニーに!ナメクジくらえ!」


ハーマイオニーに向けられた暴言にロンが怒り、マルフォイに魔法をかけるも折れた杖によって自分に返ってきてしまった。

反動で吹き飛んだロンは地面に倒れこみ、その口からナメクジを吐き出す。それをスリザリン生は大声で笑う。
そんな姿を見て、アリサの中でも何かが切れた。


「血が何よ!血統がそんなに大切なの?いざという時に何の役にも立たないものに縋るあなたたちは滑稽だわ。」
「なんだと、ヤシロ?」
「事実でしょ?ハーマイオニーのような頭の良さも、ハリーのようなカリスマ性もないじゃない!その誇りに思う血統が、あなたに何か素晴らしいものを与えているかしら?」
「言わせておけば!」


マルフォイが杖をアリサに向けたその時…


「いい加減になさい!何事ですか!」
「…マクゴナガル先生!」


騒ぎを聞きつけたマクゴナガルが両チームの間に割って入る。
それまでざわついていた学生も、一様に口を閉ざし異様な静けさが訪れた。


「ウッド。どういうことですか?」
「スネイプ先生もスリザリンに練習の許可を出されていたようで、どちらが使うか…言い争いに。」
「それで、ロナルド・ウィーズリーには何が起こったのです?」
「こいつは自業自得ですよ。」
『黙れ、マルフォイ!あんたがハーマイオニーに向かって穢れた血だって言ったからでしょう!?』
「なんてことを。ミスターマルフォイ、その言葉は言っていいものではありません。気をつけなさい。」


なんとかその場は収まり、ハリー・ロン・ハーマイオニーとアリサの4人は、ナメクジのことでハグリッドのところに向かい、他の生徒は解散となった。


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