第2章:秘密の部屋

□秘密:危険なお茶会
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コンコンコンー


「入れ。」
『失礼します。』


夕食前に時間が空いたアリサは、セブルスの執務室に来ていた。


「ヤシロか。魔法薬の調合は」
『違います…』
「なら何だ?用がないなら」
『今日の夕食後にロックハートの執務室に行かないといけなくなったんです!一人で!!』
「我輩の忠告は聞いていなかったのか?」
『いやいや、もうしっかり聞いてましたよ!でも、テストを書かなかっただけで補習と称して誘い出されたんです!横暴だ!!』
「テストを…書かなかった?」
『防衛術に関することかと思ったら、私の好きな色は何色かとか生まれはどこだとか、いつドラゴンを倒したのかとか…』
「くだらん。」
『そうなんです!あまりにくだらなすぎて!』


勢い余って、セブルスに詰め寄るアリサ。そんな様子を見て、セブルスはため息をつく。


「だからと言って、自ら呼び出されるきっかけを作ってどうする。」
『〜〜〜〜!我慢できなくて…』


先ほどまでの興奮はどこにいったのか、捨てられた子犬のような表情で落ち込むアリサに、またもセブルスの口角が上がる。


「これを付けていけ。」
『?これは…ブレスレット?』
「危険を感じたら、これに魔力を注げ。それくらい出来るであろう?」
『はい。』
「それには我輩の魔力も入っている。」
『え!スネイプ先生のもですか?』
「だから他の魔力が入ってきたら感知することが出来る。駆け付けよう。」
『あ、ありがとうございます〜〜〜!!!ズビ…』
「その汚らしい鼻水をなんとかしろ。」
『…ひどいです。』


セブルスからブレスレットをもらったアリサは、そのまま夕飯を取るために大広間にいく。
ロックハートの執務室にいくのは嫌に変わりはないが、ブレスレットがあると思うだけで気分が軽くなった。


『ん?これって、もらったって事でいいのかな?あ、ハーマイオニーに来る日を変えてもらわなきゃ…はぁ、いろいろと気が思いやられる。』


早く終わらせたかったアリサは、夕飯もそこそこにロックハートの部屋を訪れた。


コンコンコンー

『ロックハート先生、グリフィンドール2年のヤシロです。』
「待っていましたよ、さぁ入りなさい。」
『…失礼します…』


部屋に通されたアリサはソファーに案内され、ロックハートはその横にある椅子に腰掛ける。
出された紅茶を飲みながら、しばらく気まずい空気が流れる。


「さて、やっとあなたと話すことが出来ます。」
『私はとくにありませんが。』
「あなたのツレないところも魅力の一つでしょう…」
『(・・・うげ・・・)』
「それ以外の一面も見てみたいものです。」
『ロックハート先生?何を・・・』


ジリジリと近づくロックハートにアリサもソファのギリギリまで下がる。
早くブレスレットに魔力を注ぎたかったが、まず逃げることが先決だ。


「本屋で会った時から、どうしても私のものにしたかった。」
『・・・私は生徒ですよ?それに…あなたよりもかなり年下です。』
「立場も年齢も関係ありません。この肌と髪…あぁ、美しい。」
『(こいつ、マジでやばい!)』


追い詰められたアリサはブレスレットを掴み、ありったけの魔力を注ぎ込む。
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