第2章:秘密の部屋
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ハーマイオニーと別れてから、セブルスとアリサは一言も話すことなく帰路に着いた。
「なぜ、こうもトラブルに巻き込まれるのかね?」
『私の方が聞きたいです…』
「……」
『あ、あの、今日はありがとうございました!』
「ふん。」
セブルスは怪訝な顔のまま帰っていった。
一人残った##NAEM1##は、フェリックス・フェリシスの完成を目指し、新学期が始まるまで調合に集中することにした…が、
アリサへ
あの後、マルフォイのお父さんとロンのお父さんが喧嘩しちゃって大変だったのよ!
あなたもスネイプ先生を連れて来るし、学校が始まったら色々と聞かせてもらいますからね!
ハーマイオニー
ハーマイオニーからの手紙が届き、一気に現実に引き戻された。
『ハーマイオニーの質問攻撃も怖いけど…スネイプ先生の方がもっと怖い!!』
新学期が始まるまでに完成させなければ、セブルスに嫌味を言われ続けるに決まっている。そう思ったアリサは残りの時間を全て調合に捧げた。
『で…できたーーーーー!』
その甲斐あってか、当初の残骸は何処へやら。見事なフェリックス・フェリシスが完成した。
『あとは、これをスネイプ先生に見てもらうだけだ!でも、新学期はハリーとロンがやらかすからなぁ…なんとかスネイプ先生の執務室に入ることができればいいんだけど。』
ハリーとロンがフォード・アングリアで暴れ柳に突っ込んでしまうことはわかっていたが、それで死者や怪我人が出ないことを知っているアリサは、あえて止めることはせずに当日を迎えることにした。
そして……
『まずいっ!大幅にタイムロスだ!』
2年生となったアリサは、予定通りセブルスの執務室に向かっていたが運悪く監督生に捕まり、予定より大幅に時間が遅れてしまっていた。
慌てて執務室に向かうも…
「危うくさらけ出されるところだったぞ!!!」
『あ〜…』
セブルスの雷は盛大に2人に落ちていた。
アリサは入ろうか迷っていると、後ろから肩を叩かれる。
『ダンブルドア先生!』
「しー。アリサ、ここで待っておるのじゃ。」
いたずらっ子のような表情をしたダンブルドアが立っていた。
アリサは言われたまま、ドアの陰に隠れるようにして様子を見ることにした。
「君の寮生ではないぞ、セブルス。」
「校長!こいつらは未成年魔法使いの制限事項令を愚弄したのですぞ!」
「規則なら承知しておる。しかし、処罰を決めるのは寮監であるマクゴナガル先生じゃ。」
怒り狂うセブルスをかわし、マクゴナガルに話しをふる。
先生方の話しを聞いていたハリーとロンは、肩を落とし、小さくなるばかりだった。
「あの…荷物をまとめます。」
「何を言っているんです?ウィーズリー。」
「だって、僕たち退校処分でしょう?」
ロンの言葉に首を縦にふるハリー。
そんな2人を見て、マクゴナガルも軽くため息をつく。
「今日というわけではありません。ですが、あなた方がしたことの重大さについてははっきり言っておかなければいけません。ご両親に手紙を書きます。」
「そんな…」
「ウィーズリー、そんな顔をしてもダメです。そして、2人は罰則も受けてもらいますよ。」
両親への手紙のほかに、罰則も受けることになった2人は今までに見たことのないくらい肩を落としながら、セブルスの執務室をあとにした。
アリサは先生方が全員出たのを確認し、扉をノックする。