第2章:秘密の部屋

□秘密:対面
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「おい、少しは離れて歩け。」
『嫌です。どこで出くわすか分かりませんから。』
「……」



ついに水曜日がやってきた。
アリサはセブルスの後ろにぴったりと張り付き、あたりを警戒していた。それにはさすがのセブルスも怒るどころか呆れてしまう。



「あ!アリサ、こっち…よ…」
「げ、スネイプ!?」
『ハーマイオニー!ロン!久しぶりね!』
「君、どうしてスネイプと一緒なんだい?」
『ぇ、あ…それは…』
「我輩は引率だ。保護者のいないヤシロだけでは不安だと校長から申しつかった。何か問題でもあるのかね?ウィーズリー。」
「いえ…」
「我輩は外にいる。早く買ってこい。」
『はい!ごめんね、ハーマイオニー。ということだから、お茶は今度でいいかしら?』
「もちろんよ!先に教科書を買ってしまいましょう。」



”色々聞きたいこともあるし、今度ゆっくりね”
耳元でハーマイオニーに言われたアリサは、ただ笑うしかなかった。

サイン会が始まる前に無事に教科書を買うことが出来たアリサはさっさとこの場を離れようと出口へ向かった時…おそれていた事が起こった。



「「「「キャーーーーー❤」」」」



『え、もう!?』



アリサが抜け出す前に、なんとギルデロイ・ロックハートが入ってきてしまった。ごった返した店内で思うように身動きが取れないアリサは、人を押しのけながら何とか出口を目指す。



「ちょっと!そこのお嬢さん。」
『(早く出よう!)』
「あなたの事ですよ、お嬢さん!」
『ひっ!』



まさか自分の事を呼ばれてるとは思わなかったアリサは、いきなり腕を掴まれて情けない声を出してしまう。



「せっかく私が来ているのです。そう慌てて帰ろうとしなくてもいいでしょう。おや?」
『な、何でしょうか…』
「あなたはとても綺麗な漆黒の髪をお持ちだ。とても美しい。どうですか?私と一緒に写真でも…」
『いいいいいいえ、結構です!人を待たせているので!ハ、ハーマイオニー!助け…』



髪を触られ背中に寒気が走ったアリサは、はーまい
「アリサ!恥ずかしがらずに撮ってもらいなさいよ!」
「そうですよ、恥ずかしがらなくても良いでしょう?まあ、私が目の前にいるのですから、恥ずかしがるなという方が無理でしょう。」
「「「「キャーーーー❤」」」」
『(原作通り、人の言う事聞いちゃいねぇ!!!!)』



思わず口が悪くなってしまうアリサだったが、体格差のある男に掴まれてるため、腕を振りほどこうにも出来なかった。

肝心のハーマイオニーは目がハートになっており、助けるどころか写真を撮ってもらえと応援してくる。

パニックになったアリサが、魔法を使ってやろうかと杖に手を伸ばした時目の前が真っ黒になった。



「失礼。手を離していただけますかな?」
「だ、誰ですか?!あなたは!私はホグワーツの」
「奇遇ですな。我輩もホグワーツで教鞭をとっている。うちの生徒が何か問題でも?」
『(スネイプ先生!!)』

セブルスは背にアリサを隠すように、ロックハートとの間に立ちはだかった。

「この学生はダンブルドア校長からお預かりしている。いらぬトラブルは避けたいので、ここで失礼させてもらう。」
「は、はぁ…」
「行くぞ、ヤシロ。」
『あ、はい!ハーマイオニー、また新学期にね!』
「え、えぇ。」
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