第1章:賢者の石

□賢者:ハロウィン
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その日の晩御飯は、ハロウィンということもあり大広間でパーティーとなった。

時間になってもハーマイオニーは現れず、不思議に思ったハリーにネビルが声をかける。



「ハーマイオニー、女子トイレで泣いてるみたいだよ。ずっと。」
「「……」」
『……どうするのよ。』
「「……」」
『私はハーマイオニーの所に行くわ。パーティーどころじゃないもの。』



そう言って席を立つアリサに、ハリーもロンも何も言うことが出来なかった。
パーティーの時間は刻々と過ぎていった。




女子トイレー


『ハーマイオニー?』


女子トイレで名前を呼んでみるものの、返事はない。しかし、鼻をすする音は聞こえるため居るのは間違いなかった。



『ハーマイオニー、いるんでしょ?アリサだよ。』
「あっち行ってちょうだい!あなたも私の事を友達と思ってないのよ…誰とも会いたくないの!」
『ハーマイオニー…ねぇ、そのままでいいから聞いて?』
「……」
『私は、この学校に来て初めて出来た友達があなただと思ってる。』
「っ…」
『勉強も教えてくれたし、笑いあったじゃん…これって友達だからでしょう?』
「……アリサ…」
『だから、とりあえず出て来て顔を見せてくれない?』



アリサの思いが通じたのか、ハーマイオニーが個室から出てきた。



『ハーマイオニー!心配したんだから!』
「アリサ…ありがとう。私、何て言ったらいいのか…」



ハーマイオニーの言葉を聞いていたかったが、アリサはすぐにでもこの場を離れたかった。



『ハーマイオニー、話は後でゆっくり聞くからとりあえず…!?』
「…何、この匂い……」
『(しまった…)』



2人が入り口の方を見ると、1匹のトロールが棍棒を持って立っていた。ゆっくりと後ろに下がりながら、アリサはハーマイオニーに逃げるよう言う。



『ハーマイオニー、ゆっくり個室に戻って。』
「それじゃあ、あなたが!」
『私もその後に入るから、1人ずつよ。』
「分かったわ。」



ハーマイオニーが個室に入った後、アリサは個室から離れるように後ずさる。
トロールはアリサに狙いを定めているのか、思惑通り個室から離れる。



『(よし。)……さぁて、ここからどうしようか…!?』



しびれを切らしたトロールが雄叫びと共に、棍棒を振り下ろす。



『セクタム・センプラ!』
「グゥ…!」
『やっぱ、効かないか…うわっ!』



アリサの攻撃を受けたものの、魔力が弱いためかトロールを倒すには至らなかった。それどころか、中途半端に傷つけてしまったため、トロールが怒り出した。



『くっ…プロテゴ!』
「アリサ!?」
『ハーマイオニー!出てきちゃダメ!』
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