第1章:賢者の石

□賢者:買い物
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『わ!本当に届いた!本物だ〜〜〜〜!』


ダンブルドアが言った通り、すぐに生活を始めることが出来た。気づけば埃っぽかった部屋もきれいになっており、食材や生活品は全て揃っていた。また、帰り際に英語に慣れていないアリサのためにと、変換魔法をかけたピアスを渡してくれた。そのおかげで新聞を読むこともでき、今が何日なのかも知ることが出来た。

そんな中、アリサの手元に手紙が届いた。映画で見たとおりの入学許可証を見ながら、アリサは感動していた。



『なになに…ホグワーツ魔法魔術学校への入学を許可する……これで、私も魔法使いか〜…ん?んん!!??』



読み進めて行くと、準備物の下に走り書きのような文章があった。



『1人では無理じゃろうから、付き添いを送る。25日に向かわすから、その者に案内してもらいなさい〜〜〜〜!!!??25日って…今日じゃん!!え?』



当日の予定を当日に手紙で知ったアリサはあたふたしながら、すぐに出かけられる準備を始める。



『っても、私の荷物なんてないし。このまま待とう!』



それから数時間後、家のチャイムが鳴った。



『はー…い!?』
「おまえがアリサ・ヤシロだな?我輩はセブルス・スネイプ。ホグワーツで教鞭をとっている。我輩には時間がないゆえ、さっさと行くぞ。」
『あ、はい!すぐに行けます。』
「ふん、なら結構。掴まりたまえ。」



玄関を開けると、目の前にはアリサが恋い焦がれてやまないセブルス・スネイプがいた。
彼はまくし立てるように自己紹介をすると、さっさと行こうと踵を返した。慌てて鍵をかけて後を追う。



「校長から、お前の入学準備に付き添うよう言われた。わざわざ時間を割いて来たのだから、手間取らせないように。」
『はい…お願いします。』



スネイプに会えたことに舞い上がっていたアリサだったが、実際に冷たい言葉を投げかけられると、やはりキツいものがある。
テンションが下がりきってしまったアリサは、大人しく彼の言う通りにする。




ダイアゴン横丁



『わぁ!!』
「まずは大鍋などの備品を買い揃える。」
『はい!あの、教授?』
「なんだね?」
『私…その、お金を持ってなくて……』
「その心配はない。校長からいくらか預かっている。」
『えぇ!?』
「会った時に礼でも言うことですな。」
『はい!』



こちらで生活をするために、ダンブルドアが都合をつけてくれたことに感謝しながらお店へと向かう。



「後は杖だけだな…」
『はい。荷物を全部持っていただいて、すみません。』
「かまわん。変に持たせてモタモタされても困るのでね。」
『ありがとうございます。』



意外にも荷物を全部持ってくれたことに感動…感謝しながら、アリサは杖を買うべく1軒のお店の前にきた。



「杖を買うなら、このオリバンダーの店にするといい。」
『いってきます。』



(うわー、本物だ!オリバンダーさんのお店だ!!ついに、私も杖をもてるんだ!)



内心大興奮しながら店舗の中に足を踏み入れる。
アリサが足を踏み入れると同時に、奥から1人の老人が姿を現した。



『ひっ!』
「お嬢ちゃんが、ダンブルドアの紹介の子かね?」
『はい、ヤシロと言います。』
「君はアジア人か…ならば、これはどうかね?」
『わ、綺麗…』



オリバンダーから杖を受け取り、見様見真似で振ってみる。


ガッシャーーーーン‼︎


『!?』
「おぉ、いかん。合わなんだか…では次は……」



杖を振ると、目の前にあった花瓶が派手に割れた。映画でみたシーンだな、と思いながらゆっくり机の上に杖を置く。



「次はこれを試してみなさい。」
『はい!…わー、ごめんなさい!』



アリサが杖を振ると、またしても暴走し杖が何本か吹っ飛んでいった。
激しい物音に途中でスネイプが入ってきて、呆れた顔をしながら壊れたものを直していく。



「これはこれは、スネイプ教授。お久しぶりですね。」
「ご無沙汰しています。この生徒の杖は決まりましたかな?」
「それが、なかなか合う杖がなくて……もしかして…」
『?』
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