第1章:賢者の石

□賢者:仲違い
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『ハリー、聞いたよ!シーカーになったんだってね!』
「ありがとう、アリサ。まだ実感はないんだけど…」
「あら、親譲りなんだから大丈夫よ。」
『親譲り?』



朝食を取るために大広間に行くと、先にハリーとロンが食べていた。
アリサは、自分が気絶したりバタバタしてる間に決まったハリーのシーカーについて声をかける。



「ハリーのお父さんもシーカーだったのよ!」
『そうなの?!すごいじゃない!でも、ハリーはハリーのペースで頑張ってね。』
「ありがとう。それより、アリサにも伝えなきゃいけないことがあるんだ。」
『何?』
「僕たち、頭が3つある犬に会ったんだよ!」
「ロン!声が大きいわ!」
『え…え?どういうこと??』
「貴方が保健室にいる間に、3階の廊下に入ってしまったのよ。そしたら、フィルチの猫が来て逃げた先にいたの…」
『え、何のために?』
「ハーマイオニーが言うには仕掛け扉があって、何かを守ってるっていうんだ。」



ハリーたちからフラッフィーの事を聞いたアリサは、腕を組んで考える振りをする。



『う〜ん、理由もなく頭が3つもある犬を飼わないし、隠さないよね。』
「でしょ?アリサもそう思うでしょ?」
『うん。でも、証拠がないから決め付けはできない。これからは慎重に動かないと…先生たちに誤解されちゃうから。』
「そうね。」
「確かに。」



何とか話の流れに追いつくことができたアリサは、ハリーたちと共に、授業を受けるため移動する。



「みなさん、今日は浮遊術を行います。羽は用意していますね?」
「はい、先生。」
「よろしい、ミス・グレンジャー。」


小さいフリットウィック先生は本を何冊も積み上げた上に立つ。グラグラして足元がおぼつかない…いつ崩れ落ちるのかとハラハラする生徒もいた。



「浮遊させる呪文は”ウィンガーディアム・レビオーサ”。ハッキリと正確に言うんですよ。」



フリットウィックが呪文を教えると、生徒が各々練習し始めた。
アリサはロンとハーマイオニーと離れたところに座っているため、2人の間に入ることが出来ない。



『(何とか止めたい…何で私だけ離れてるの!?)』



アリサが悶々としてる間にも2人は険悪になっていく。



「ウィンガーディアム・レビオサー!!」
「ちょ、ストップ!ストップ!そんなに杖を振り回したら危ないじゃない。それに、呪文も違うわ。正しくはレビオーサ、あなたのはレビオサーよ。」
「そんなに言うなら、自分がやってみろよ!どうぞ?」



間違いを正されたロンは、不貞腐れる。



「ウィンガーディアム・レビオーサ。」
「素晴らしい!みなさん、ミス・グレンジャーがやりました!」
「……」



見事に羽を浮かせたハーマイオニーに、ロンは面白くなさそうに教科書の上に伏せる。その直後、シェーマスによって教室に爆発音が響き、授業は終わった。
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