第1章:賢者の石

□賢者:仲違い
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『ハーマイオニー!一緒に帰ろう?』
「いいわよ。」
『そ、それでね!先生に質問があるから待っててくれないかな?』
「次は離れた教室に移動なんだから、質問は放課後にしましょう。私も他の先生に質問があるの。」
『え?いや、あの、』
「どうしたのよ?行くわよ!」
『あ、ちょ…待ってよ!』



授業が終わり、次の教室へ移動する時、##NAME1#は何とかハーマイオニーを留めてロンたちと会わないようにしたかった。

しかし、次の授業に遅れそうなハーマイオニーは質問よりも移動を優先し教室から出ていってしまう。

そして、ついにその時が来た。



「あら?ハリーとロンだわ。まだこんな所で」
「レビオーサ、あなたのはレビオサー。全く嫌味なやつだよ。だから友達がいないんだ。」
「!」
『ハ、ハーマイオニー…』
「ごめんなさい、アリサ。ちょっとトイレに行ってくるわ。」



ロンの言葉を聞いてしまったハーマイオニーは、俯きながら足早に先にいく。その声は震えており、泣いているのは一目瞭然だった。

追い抜きざまにぶつかったロンは、聞こえてしまったことに驚いているのか呆然としており、他のクラスメイトも同じだった。

アリサは、ロンはもちろんのこと、ロンの言葉に同意するかのように笑っていたハリー含めクラスメイトに腹をたてる。



「聞こえたみたいだ…」
『聞こえたみたいだ、じゃないわよ!』
「アリサ?…これは…」
『聞かれて気まずくなるなら、何で言うのよ。あの子泣いてたわ。』
「アリサも聞こえただろ?あの嫌味な言い方。」



ロンのうんざりするような物言いに、アリサの勘忍袋の緒がが切れた。



『私には、間違いを正したようにしか聞こえなかったわ。それに、ロン。あなたが呪文を間違えていたのは確かよ。そこを棚にあげて教えてくれたハーマイオニーの言い方が気に入らないからと悪口言うのは違うでしょ?』
「……」
『それに、ハリーや他のみんなも。ロンを止めなかったり笑った時点で同罪よ。ハーマイオニーに友達がいないですって?”私が”ハーマイオニーの友達よ!』



まくし立てるように言い放ち、アリサはハーマイオニーの後を追う。
ロンやハリーたちは顔を見合わせ、しばらくそこから動けなかった。



『結局、ハーマイオニーに会えなかった。』



あの後、トイレに行こうとしたアリサだったが、先生に見つかり教室に行かざるをえなかった。

それに、もうすぐであいつがホグワーツ内に入ってくるため、ギリギリまでロンやハリーたちの動きを見ることにした。
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