小説エゴイストA
□今はもう、思い出すだけ
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なのに不思議だな。
今、俺はお前とは違う奴を待っている。
お前以外に好きな人ができるなんて思いもしなかった。
お前以上にそいつを好きになるなんて思いもしなかった。
今思えばあいつと初めて会ったのもこんな季節だったような…
「ヒロさん!」
俺の座っているベンチから離れている公園の入り口。
手を振っている野分が見えた。
近付いてから声かければいいのに…
思わず笑ってしまう。
秋彦、こいつが俺の大切な人だ。
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