小説エゴイストA
□いつもがいつもじゃなくなる日
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「でも草間先生はまだ研修医じゃん」
「今回の研修リーダーが草間先生が留学していた病院の関係者なんだって。
けっこう評価されてたみたいだから私は絶対メンバーに入ると思ってたけどね」
「じゃあ来月からしばらく会えなくなるのかぁ。子供たちも淋しがるだろうね。
てか気に入られすぎて帰ってこなかったらどうしよう!」
「それも有り得るかもねぇ。
一緒に回診できるのも今のうちよ。そろそろ行こうか」
遠ざかる話し声と足音。
名前や研修医という立場、留学していた過去から人違いではないよな。
またいなくなるのか?しばらく、ってどれくらい?
「上條さーん!お疲れ様でーす、
ってどうしました?顔色悪いっすよ」
何でいつも野分よりこの先輩に会うんだろう…