小説エゴイスト@
□スレ違い
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テレビを消して顔を洗う。二度寝する気分じゃない。
せっかく早く起きたんだ。
天気も良いし古本屋巡りでもしようか。
洗濯機のスイッチを入れ、コーヒーの準備をする。
着替えを済ませリビングに戻り、
コーヒーを飲みながら古本屋巡りの順序を考えていると洗濯機が作業終了を告げた。
洗濯物の入ったカゴを抱えベランダに行くとー
「あれ?」
二日前に干した洗濯物がない。
「洗濯したよな…俺」
もしかしてと思い野分の部屋に向かう。
さっきは気付かなかったが部屋の隅に野分の分と自分の分と丁寧にたたまれていた洗濯物が目に入った。
二日前に干した洗濯物、って事は昨日の夜にでもやってくれたのだろうか?
「あいつ…疲れて帰って来てんのに」
ヤバい。
ものすごく嬉しい。
無意識に顔が緩んで、
身体中に幸せな気持ちが広がって、
真夜中に野分が洗濯物たたんでる所を想像して可笑しくなって……
逢いたくなった。