小説エゴイストA

□ごめんと言うより好きだと言って
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どうして宮城教授は使った資料を元の場所に戻さないんだろうか?




特に一番上の棚は宮城教授の目線に合うのか乱雑ぶりがひどい。






いや、きっと宮城教授にとっては見やすい並びになっているのだろう。





呆れながら資料を並べ直していく。





「失礼します。
上條先生、中央書店さんから荷物が届いてます」




小さな段ボール箱を抱えて事務員さんがノックの音と共に入ってきた。




「わざわざすみません、資料の整理してて手が離せないので
手前の机に置いてもらえますか?」




片手で整理した資料を支えながら、もう片方で宮城教授の机にある残りを並べていく。





「はい、…あの、ところで…」






「はい」





「時々上條先生に会いに来る人いますよね?」





「時々会いに来る?」






「あの、背が高くて黒髪で…」





「あー…」




野分以外考えられない。





「付き合ってる人いるんでしょうか!?」






ガタンっ





「上條先生!?」




「…すみません、バランス崩しました」





せっかく整理した分まで見事に落としてしまった。
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