拍手お礼文SS
□拍手お礼文2
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夏は苦手だ。
暑いし汗だくになるし食欲もなくなる。
花火大会や夏祭り、夜の空気とか夏独特の匂いとか…
好きな部分もあるけどやっぱり苦手だ。
理由を探さなければならないから。
「宮城」
「何だ?」
問いに答えず宮城の部屋に入り、ベッドにもぐりこむ。
「忍?…おい、何してんだ。そこは俺のベッドだぞ」
「エアコン壊れた」
「は?」
「だから暑くて寝れない。ここで寝る」
「まだ買ってからそんなに経ってないけどなぁ…今度修理呼ぶか?」
「もう聞いた。今は予約でいっぱいだから時間かかるって」
「そうか…連日猛暑だしなぁ…忙しいだろうな」
一人で頷きながら宮城が部屋の電気を消す。
ほどなくして宮城の体温が隣りに感じられた。
俺の部屋のエアコン。
電池を抜いたリモコンは引き出しの奥にしまってある。
*****
冷房が効いているとはいえくっつきすぎだろ…
規則正しい寝息を立てている忍は現在、俺の左半身を拘束中だ。
今年は「エアコンが壊れた」か…
去年は「節電の為」だったな
もちろん修理業者を呼ぶつもりはない。
そして、すぐに電気を消す理由も教える予定はない。
いい歳して思わず照れてしまうこんな顔を見られてたまるか。