異小説
□裾がほつれたから
1ページ/16ページ
「弘樹様、こちらが明日の予定表です」
「あぁ、ありがとう」
午前中に勉強会、顔合わせを兼ねた昼食の後に役員会と工場の視察…
「明日も忙しいな」
「弘樹様は上條財閥の次期代表ですから。
容姿端麗、成績優秀、加えて商才もあれば期待も大きくなります。
あ、追加で明日は仕立て屋が参ります」
「仕立て屋?」
「叔母様の誕生会用に新たな衣装をと奥様から仰せつかりました」
「別に今ある物で充分なのに」
「弘樹様は自慢のご子息ですから。工場視察の後に予定しております」
「わかった、来たら部屋に通してくれ」
「かしこまりました。ではお休みなさいませ」