異小説

□赤点
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「なぁ野分、お前古文嫌いだろ」


「…そんな事ないです」


「じゃあ何で毎回テストの度に赤点なんだよ!
お前だけ補習の皆勤だぞ」


「先生に会いたいから」


「///バカか!早く続きをやれ!」



俺だって迷ったんだ。


学年一良い成績をとって印象付けるか
学年一悪い成績をとって印象付けるか…


良い成績をとっても『優秀な生徒』になるだけで深く関われないだろう。


悪い成績なら補習や追試や
あわよくば二人きりになれるかもしれない。



たくさんの生徒の中で目立てるなら赤点だってとる。


今年の春に転任してきた先生を見た時、一瞬で堕ちてしまった。



それからずっとこんな調子だ。
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