小説エゴイスト@

□交換日記
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「ヒロさん!交換日記しましょう!」





「…お前は女子中学生か。つーか今時女子中学生でもやらねーよ」





「じゃあこの世界で俺たち二人きりですね」





「…お前のそういう前向きなとこ、すげーと思う」







「だって一緒に住んでるのに毎日会えないから、
ヒロさんが何をして何を思ってるか知りたいです」







「だからって何で交換日記なんだよ!恥ずかしくてできるかっ!
だいたい何かあればメールや電話するし」
(そんな発想をするお前の頭の中を見てみてーよ)







「…でもヒロさんからメールくれた事ほとんどないし…」








「……………」





「…それにもうノート買っちゃいました」






「……っ!」
(パンダだ!パンダが笹舟作ってる!!)





(ヒロさんの目がキラキラしてる!もう一押しだ!)






「しかも表紙を開くと…」






(シールだ!シール付きノートだ!)
「お前…これどうした?」




「病院の売店で見つけました」




「そっか…」






「別に、毎日1ページ書いて欲しいわけじゃないんです。
1行でもいいし書かない日があってもいいです。

時間ある時や、話したい事があるけど会えない時に書いてくれたら、って…」







「…話したい事」







「何か悩みや嫌な事があった時に会えないから他の人に話した、
というような事があれば俺は相手の人を許しません」






「相手の奴関係なくね?」






「会えないからこそ、今何を思ってるのか悩みを抱えてないか気になって…
独りにしたくないんです」






「確かに……ってやらねーよ!絶対やらねー」








「……ヒロさん、俺に隠し事あるんですか?」





「はぁ?何でそうなるんだよ」
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