火の狭間

□第六章
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37.いつかに、きっと





なまえはウエストポーチから小型時計を取り出し、時間を確認した。



「………………」



横で横たわる三人は、サスケ以外すやすやと寝ている。



「……ぐっ…」



時折サスケが苦しそうに声を漏らした。


その度、なまえはサスケの方に目をやる。



空はまだ暗い。


3時間は仮眠を取っただろうか。チャクラはまだその分ほどしか回復していない。



「………………」



二年ほど前からお気に入りの長さをキープしている髪に手をやり、ふぅ、とため息をついた。



「……写輪眼…うちはの肉体か…」



大蛇丸がサスケを狙うのは、恐らくそれが理由だろうと推測した。



『サスケくんのお友達?』



あいつ、私の事知らないみたいだったな…。



(混血には興味ないってか…)



なまえは力無く笑った。



―どうして私は……イタチさんやサスケくんよりも…

弱いのかな……?



幼い頃の自分の声が聞こえる。


うちはの血への期待。

そのプレッシャーに押し潰されそうで怖くて。


恐らく写輪眼を開眼したところで、純粋なうちはじゃない私には上手く扱えるかも分からない。


だから、"うちは"って名乗りたくなくて。

みんなどうせ、"みょうじ"よりも"うちは"なんだって。


そう思ってた。



…でも、みょうじの力の事を初めて知った時、守る事ができる、助ける事ができるって嬉しかったんだっけ。


だから、うちはもみょうじも両方の力をこなせるようにならなきゃって…思ったんだ。



「…サスケくん…ごめんね…」



あの時の約束…いつか絶対果たすから。


だから、今はまだ死なないで…





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