火の狭間

□第六章
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35.アンコと呪印





「………………」


「…………ぐっ…」


「…だ、大丈夫ですか!?」



なまえはアンコの元へ駆け寄り、容態を見た。


呪印に対する治療法…

ダメだ、封印術ぐらいしかわからない。

しかも出来ない。



「……役立たずですみません…」


「…あんた、…なんで出て来たのよ!?…顔を下手にアイツに覚えられたら…」


「呪印…」


「………?」


「……私は綱手様の元で修業してました…だから、呪印のことも知ってます…」


「…綱手様って……あの三忍の……」


「サスケくんはアンコさんと同じ、"天"の呪印…なんでしょうか?」


「……あの言い方からして…そうでしょうね…」


「………………」



何かを考えてから、なまえはアンコの左首筋に手をやると、医療忍術を使い始めた。



「…ただの医療忍術じゃ、呪印は抑えられない…」


「鎮痛してるだけです。少しは楽に、なるはずですから」


「…大体、お前は今試験中だろ…チャクラを余計な事に使うな」


「余計なんかじゃないです」




今度はアンコの左手をとり、傷を治療した。



「呪印の封印術は高等忍術で…私は初歩段階の鎮痛することくらいしかできません」



普通の医療忍術とはまた違う、難しさがある。



「でも、きっと役に立つから…余計なんかじゃないです」


「………………」


「…チャクラなら心配しないで下さい。もうすぐ夜だし、寝れば治っちゃいますから!」



なまえはニッと笑い、尚も治療を続けた。



……変な子……。



アンコもつられて、静かに笑った。






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