女体化story@
□ツナ骸A
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一応にょむく
「お前を、」
「?」
「お前を殺したくてたまらないよ、骸」
それはピロートークに程遠い言葉。
情事が終わりぼんやりとした視界の中、上から見つめる視線にいるツナは、思いのほか真剣な眼差しだった。
「殺して、ぐちゃぐちゃにして、その肉を食らうんだ」
そうしたら残さず食べてあげる。
その血の一滴だって無駄にするものか。
淡々と告げるツナの言葉に、ほんの少しだけ骸は驚いたような表情をした。
それに満足する。
これはずっと思っていたことだった。
永遠ともいえる輪廻を生きる彼女を、自分にとどめる方法を考えていた。
そんなことできるわけないだろうとも思うけれど、只管に願い続けていた。
ある日ふと思いいたったのだ。ならば1つになればいいと。
魂ごと自分の中に取り込んで、ごちゃごちゃのぐちゃぐちゃの、1つになってしまえばいいと。
全部全部1つにしてしまえばいい。
それはとても魅力的なものに思えた。
一瞬だけ驚いた表情をした骸は、すぐに笑みを浮かべるとツナに手を伸ばした。
「それは困りますね」
「やっぱり?」
「別に死が怖いわけでもありませんが、貴方を見れなくなるのは困ります」
僕、これでも貴方の顔、すっごく好きなんですよ?
くすくす笑った骸が、少しだけ体を起してツナに口づける。
「まあ、貴方に殺されるならそれはとても本望なんですけど…貴方を残して死ぬのは嫌ですね。どうせなら一緒に生きて一緒に死にたい」
その言葉スコンとツナの中に落ちてきて、いい具合に収まった。
確かにそうだ。
せっかくの骸のこの美貌が見れなくなるなんて、もったいなくてとても不幸だ。
第一、骸が居ない世界を生きて何が楽しいというのだろう。
そもそも、骸がいなければ幸せになれるはずがないのに。
「それじゃあ、一緒に幸せになりましょう、お姫様」
「仰せのままに、僕の王」
end