+小説+
□いつまでも
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いつもの通学に使うバス
乗る人は大体いつも同じ
でもある日
一度も見た事が無い子が
バスに乗り込んできた
「お譲ちゃん、どこに行くんだい?」
バスの運転手さんが声をかける
でも女の子は答えない
それどころか運賃さえ出そうとしない
誰も声をかけない中
私は女の子に目線を合わせて言った
「どこに行きたいの?」
女の子は小さな声で言った
「…お姉ちゃんの学校…」
何となく聞いた事があるような声
でも思い出せない
「何て学校?」
「…四葉高校…」
「じゃぁ私が連れて行ってあげる」
「良いのかい?」
「私、四葉高校ですから♪」
私は女の子の分の運賃を出した
「…おいで♪」
二人用の席に座り隣に女の子を座らせる
「名前は?」
「…香奈…」
聞いた事のある名前…
分からない…
思い出せない…
「着いた…あれ?」
バスを降りた時は一緒だった
一緒に歩いてた
それなのに学校に着いた時
女の子は居なかった
〜・〜・〜・〜