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□最初で最後のラブレター
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「ニ週間後に

 引っ越すことに

 なりました」


この学校の

アイドル

沢島 萌は

笑顔で

そう言った

みんなが

ざわめいた

彼女は

男子からは勿論

女子からも人気だった

だからみんなが

別れを惜しんだ


「最後の思い出作りに

 今度の土曜日

 遊園地に行きたいと

 思うのですが…」


そんな提案に

みんなが乗った


「俺はパスだ」


そう言ったのは俺

俺は所謂不良って奴で

団体行動が嫌いだ


「お願い、今岡君…

 最後なの…

 費用は全てウチが出す…

 だからお願い…」


最後の意味が分からなかった

引っ越すだけだろ?

何でそんな顔してんだよ…

俺は断りきれなかった

いつもそうだった…

こいつは俺の意志を曲げる…

だからこそ…

俺を恐れず

近寄ってくるこいつが…

鬱陶しく思いながらも…

俺は好きだった…




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