捧げ物・頂き物

□地獄も天国
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眼鏡を外す
一瞬前まで輪郭も色彩も鮮明に保っていた世界は、輪郭も色彩も目の前にいる男の姿だって全てが曖昧とした靄に変わる。
目の前の男を下から上へ、靄ばかりを舐めるように見つめた
紫の靄の中に、元は蝶であった無様な靄がふわふわととけ込んでいる。一際輝く碧の靄は瞳か、隻眼の彼の視ている世界など知りもしないが
覆い隠された片方は僕と同じ靄ばかりを視ているのか靄さえもわからぬ暗闇を視ているのか
「お前、眼鏡つけてる方がいいな」
目の前の靄が忍び笑いを零す。
「うるさいですよ。こうやって見てる方があんたは綺麗だ」
「そりゃおもしろい、お前の世界がみてみたいもんだ」
それはこっちの台詞だと思いながら口に出さない。人それぞれ視ている世界など違うものだが、こんなにも世界が違うであろう相手は始めてだった。こんなにも僕の視れない世界を渇望したのは初めてだった。
「いつか死んだら、同じ世界を視れるんでしょうかね」
永遠に眠るその最中に同じ暗闇を視ることができるのならば、と非現実的な救いようもない妄想を
「それならお前も地獄に墜ちねぇとな」とろけそうに甘い夢見がちな声音を心の中で嘲笑いながら、己自身を嘲笑う
「あんたとこうしてるだけで、地獄行きは確定ですよ」
同じ苦しみを現世で味わえないのなら、幻想の中で同じ業火に焼かれようじゃないか







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いちご練乳ちゃん!
お誕生日おめでとうございますっ
初めての新高ということで大変拙い&「お前新高なめてっとアン?コルァ」な文なのですが、いちご練乳ちゃんに新高を献上したい一心で書かせていただきました
これからもお元気で、お過ごし下さい
そしてこれからも仲良くしていただけたら嬉しいですっ
エリザベス&新高愛!!!!!


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