思い出宝箱
□恐怖のクリスマス
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あれは確か、中2のクリスマスの夜のこと。
両親がケーキを買ってくるというので、妹とふたりで留守番をすることになったのです。
どんなケーキを買ってくるのか、わくわくしながら、両親が帰ってくるまでの間、クリスマスツリーをながめていようということになりました。
電気を消して、ピカピカと光るツリーを見ながら、どういうわけか、『13日の金曜日』のジェイソンの話になり、怪談話のように盛り上がってきたそのときでした!
ピカ……
ツリーの明かりが突然消え、私たちは暗闇のなか、お互いに手を取り合いました。
まさか、ジェイソンがやって来たんじゃないのかと、恐怖で声を出すことができませんでした。
そして、またピカ……と────
このときまで、私たちはツリーに点滅機能がついているとは知らなかったのです。
あのとき、本気でジェイソンがやって来たんじゃかと思ってしまいました。
妹も私と同じことを思っていたようです。
「びっくりしたね!」と、お互いに笑い、クリスマスが近くなると決まってこの思い出話を語るのでした。
【終】
2010.12.15