拍手連載!

□インセスト・ラブ
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いつの間にか小さなった身体。

俺より細い腕。白い肌。


同じ色した艶やかな髪…。


「アカン…好きやわ、やっぱり。」

『蔵って、この子みたいなんがタイプやったん?』


並んで座ったラブソファー。

テレビに映る流行りのアイドル。


「んー、せやね。」

『へぇ!明日みんなに教えたろー!』

「それはアカンで!」

『何でやの?』

「二人の秘密、やから。」

『変なのー。』


せや。俺は変なんや。


俺……おかしいねん。


全然似てへんけどそっくりなコイツは正真正銘、俺の妹。

双子の妹…。


オカンのお腹ん中おる時から、ずっと、ずっと一緒や。


幼稚園行っても、小学校行っても、中学生になっても、ずっと一緒。


高校生になった今でも、寛ぐんは俺の部屋。


「なぁ…」

『何やー?』


自分の部屋が無い訳やないのに。


「何で毎日俺の部屋で寛ぐん?」

『アカンの?』

「いや、アカン事ないけど…」

『ウチは蔵と一緒に居りたいねん。』


それ、彼氏に言う事やで?


「ブラザーコンプレックスやな」

『ちゃうわ!』

「ほな、何で?」

『うーん…今までずっと一緒やったやん?産まれる前も、産まれてから今までも。』

「せやね。」

『やから…今更離れるとか考えられへん!』


今までテレビに釘付けやった視線が不意に俺を捕らえる。


“蔵もせやろ?”って、微笑みながら言うもんやから。


ついつい本音をバラしたくなってまう。


「…ほな、お前は、な……」

『うん?』


俺がお前ん事、そういう目ぇで見とるなんて知らんやろ?


「お前は……」

『ぅん?どないした、蔵?』

「……結婚しても俺の傍に居るんか?」


やっぱ、言えへん…。

お前ん事抱きたいとか、言えへんって…。


『やっぱ、蔵変やー。』

「……………お前の所為やで」

『何か言った?』

「何でもあれへんよ、」

『大丈夫なん?熱とか…あるんちゃうん?』


コツンとくっついたおでこ。超至近距離で絡んだ視線。


「あ、アカンて!」

『ぅわッ?!』


耐え切れず、慌てて押し退けた身体がソファーに倒れ込む。

天然でこないな事されたら…ホンマに俺、適わんわ…。


「堪忍…もう、自分の部屋…戻り。」

『くら、の、すけ…?』

「ええから早よ、」

『ぁ………ぅん。なんや…ごめんな…』


切な気に部屋を出てったアイツが、これから俺に何されるんかなんて…絶対解ってへんのやろな……。


「……好き、やで…。めっちゃ、好きや…」


取り出した自身は既に天を仰いどる。


「ほれ…もっと…触っ、ああっ……はァ…」


手の平を汚す白濁、掴むんはいつも虚無。


俺、何してんねやろ…。


虚しいだけやって解ってても、アイツを想いながら自分を慰める…。


それが俺の


精一杯の愛し方。







(唯一、胸を焦がす存在)






To be continued.

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