Unlimited time
□act.1 偶然と運命
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偶然なんかじゃない。
多分、これは必然だった――。
花火で照らされる白い城を見上げた。
あまりにも綺麗な花火に何だか泣きそうになるのに、笑顔になる。
思い出すのはあの子の事。
今彼女がどうしているのか、私にはわからない。
「ねぇ―――」
ねぇ、ソラ。
あなたはもうこの世にいないの?
並んで歩いたあの日は、嘘なんかじゃないよね?
ひとつに縛った髪が、風に揺れた。
誰かが語りかけるみたいに優しく。
少女は微笑むと、花火に背を向けて人混みを抜けた。
私達が出会ったのは意味がある事だよね?
これは、私達の素敵な物語――。