Unlimited time


□act.8 Release
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グロウはググリア山を登りながら昔の事を思い出していた。
これから向かうクレフはソラの出身地だ。

ググリア山はグロウの言った通り、雪が積もり、吹雪が冷たかった。
細くなったり広くなったりの道は曲がりくねり、橋のような道。下や上にこれからの道や通ってきた道がある。


「寒い…」

エメラルドが呟いた。
基本みんな薄手なのだが、一番危険なのがエメラルド。腕や足、髪を上げている為首も出ているからだ。
肩の出ているアリアも寒そうだが、足はレギンスなので大丈夫そう。レンも腕が危険だが男子なので大丈夫だろうと断定する。


「エメちゃん大丈夫?なんか貸そうか?その………」

寒そうなエメラルドに何か貸そうとしてアリアは黙る。特に何かを羽織っているわけでは無いので、貸すものがなかった。
すると思いついたようにパッと表情が明るくなる。


「これ貸してあげる!」

アリアは自分の腕のものを指差した。
アリアは肩は出ているが、上膊から袖が垂れているのだ。


「え、悪いよ」
「気にしないで!寒いのには強いんだ」
「じゃあ…片っ方だけ、ね」
「え?うーん、わかった!」

アリアは右腕の方のを外そうとする。うまく取れなくて無理引っ張り外したあと、エメラルドの腕に通す。


「…エメちゃんって細いね」
「え?」
「わたしの腕よりするって通るよ」
「アリアだって細いよ?…白いし」
「そうかなあ?」

アリアの肌は白い。元々なのだろうが、黄色くも見える気がする。
エメラルドの腕に通して細いベルトをしめると「よしっ」と手を離した。
山登り再開。

進めば進むほど、少し息苦しいくなったような気もする。標高が高くなっていくからだろうか。


「水、飲むか?」
「寒い……」
「飲まないと。高山病になるよ」

グロウが言うと、渋々レンは水を出して飲む。場所が寒いので、水も冷えている。寒くて凍ってしまいそう。

進んでいくと、次第に吹雪が弱まってきた。グロウ曰く後は下るだけらしい。
並んで歩いていたふと先頭を歩いていたレンが後ろを振り向く。


「…アリア?」

一斉に後ろを見る。最後尾にいたアリアがいつの間にかいない。


「遭難?」
「いや、それは…」
「でもアリアなら有り得るかも」

アリアは何かとほわほわふわふわしてたりする。
だが遭難するにも細い一本道だ。
慌てて来た道を戻る。するとアリアはすぐ見つかった。道に座って手をついてぐったりしている。
距離的に一番近かったエメラルドが駆け寄る。


「どうしたの?」
「エメちゃん…?体力が…尽き、ました…」
「体力って……顔真っ青だよ!?」

アリアの顔はいつも異常に青白く、唇が赤くない。


「唇の色、肌に同化してる」

ように見える。


「立てる?」
「う、うん…」


エメラルドはアリアの腕を自信の肩にやる。

「エメラルド、大丈夫か?」
「大丈夫、アリア軽いから」





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