Unlimited time


□act:7 君がいた場所
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自分達の今歩く川を挟んでいた崖が進む程に坂状に低くなってきた。

「ドルマ街道を抜けたのかな」


レン達は川から陸に上がる。

「川沿いに歩いたらどこかに着くかもしれないね」
「そうですね」


そこでまた会話が終わる。

「(ネタが無い…)」


アリアが頭を巡らせていると、

「なんか…暗くない?」
「さっきから暗いよ」
「いや、もっと暗くなったよ」


という会話が聞こえてきて、上を見上げた。

「山…」


崖の次は山に挟まれている。つまり今歩いているのは谷ということだ。
生えている木が増えてきて、枯れ葉が落ちている。

夜の森というのは不気味で。



ザザッ



「きゃぁっ!」

悲鳴をあげたのはアリアだった。
草叢から狸が出てきてそこを横切ると、安心したようにアリアは溜め息をつく。


「アリア…?」
「怖いの苦手なのか?」
「ムリムリムリムリ……やばい、どうしよう。わたしどうしよう」
「落ち着け」
「だってさ、もし幽霊とか出たらどうすんの!」

どうやらアリアは動物や暗闇というよりも、幽霊が怖いらしい。


「大丈夫ですよ、こんなところに幽霊が出るわけ…」

シオンは途中で話すのをやめた。アリアはシオンの視線の先を見る。
そこには青白い肌の白い服を着た少女が立っていた。暗闇だというのにやけによく見え、長い黒髪で顔を見えなくしている。


「こっちに来て…遊ぼうよ…?」
「きゃぁああっ!!!」

アリアの甲高い悲鳴が響いた。アリアは咄嗟に走り出す。


「おい、アリア!」

レンの声も聞かずにアリアは走り、あっという間に見えなくなった。

「やり過ぎましたかねぇ」
「クレッド!」
「クレッドがやったの?」
「魔法でちょちょいっとね」


この人は人をからかうのが好きなのか。
そういえばクレッドとアリアはレン達に出会う前は二人で旅をしていたらしいが…

アリアはいつもこんなふうにからかわれていたのだろうか。
だとしたら苦労だ。


「じゃあ、ちょっと行ってきますねー」





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