Unlimited time


□act:6 幻の歌
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「マカ街道を抜けたらドルマ街道だな」

マカ街道は真っ直ぐな一本道で、といっても途中曲がり角があり、曲がるとエリン族の村へと繋がっている。
そのまま真っ直ぐ進めばドルマ街道だ。

ドルマ街道はエリン族の村からも繋がっているので、武器や薬を買ってからドルマ街道へと急ぐことにした。


「止めよう」


無駄に命を犠牲にしないように。
止めるんだ、この戦争を。





act:6

幻の歌





「コメルス、いろいろあったね」
「うん、結構楽しかった」
「どうせならもっといろいろ回りたかったな」


この旅が終わったら、来よう。

みんなで約束した。


「あの精霊さん、可愛いよね」


エメラルドがレンに言った。
レンはエメラルドを一瞥すると、笑う。

「そうだなあ」
「好きだったりして?」
「まっさかー」


精霊を恋愛感情で好きになるわけない。

「オレにはもういるからな!」
「彼女?」
「いや、片思いさ」
「へぇ〜?」


ふーん、と何か企んだような表情でレンの顔を下から覗く。

「何だよ?」
「頑張ってね」
「おうよ」


あたしは恋をしたことが無いから、よくわからない。


「そうだ、疑問に思ったんだけど、あの精霊さんは何て名前なの?」
「え?」
「精霊さんって呼んでちゃ、面倒でしょ?みんなチェーンとかフェニックスとか、名前があるけど、あの精霊さんは時の精霊≠チていう肩書しか知らないよ」


そういえば、そうだった。
きっとレンが契約者だから、エメラルドはレンに訊きにきたのだろうが、わからない。

レンが唸っていると、クレッドが後ろに立っていた。


「メルト、ですね」
「?」
「彼女の名前ですよ」

時の精霊 メルト。封印魔法も使用でき、他にまだ何か力を秘めているのだろうか。


「…クレッドは本当に何でも詳しいんだね」
「それほどでも」


怪しい。
クレッドは何でも知ってて、何でも見透かされてる気がする。

グリーフのことも、これから起こる戦争の行方も、ルナへの道も、レンの精霊の事も、ソラのことも、


「(あたしの正体も)」





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