Unlimited time
□act:5 切れない繋がり
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「カノン」
エメラルドの呼び声にカノンが顔をあげると、エメラルドは明るく笑う。
「どうしたの?話があるってクレッドが言ってたから」
「うん……」
カノンは俯き、また顔を上げてエメラルドを見る。そして必死に言うのだ。
「私には記憶がない。だけど大切で大好きな人がいて、その人の事は覚えてて…歌魔法が使えるんだ。だから……エメラルドじゃないかって、思った…」
鎮魂歌を歌ったエメラルド。
それを記憶の人に重ねた。
だけど突き放すように言うのだ。
「違うよ」
記憶の人に重ねた。
そう、ただ、重ねただけ。
それでも、信じていたかった。
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魔導都市 コメルスは、機会都市グリッターとよく似ている。だけどが発達の仕方が違う気がする。
グリッターは機械都市と言うくらいだから、テレビだとかエレベーターだとかがあるけれど、コメルスにはそういうものは無い。
逆にコメルスには移転装置や、クリアバリアなどがある。グリッターには無かった。
コメルスで持ち物検査、あとは魔力検査を行う時は『ファインド』の魔法を使う。
ファインドは白魔法のひとつで、相手の能力や持ち物を見破る魔法である。
「レンはそれを受けるんだよ」
「ふーん…」
シオンはレンにファインドで魔法調査を受けることを説明した。
レン達は先程コメルスに着き、今は座って休んでいる。
コメルスは、本当の空は見えない。街全体を透明の膜のようなものが覆っているからだ。見上げて、少しぼやけている。
「行くかー」
レンは立ち上がって伸びをした。
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