Unlimited time


□act:4 意味
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「属性は、炎・氷・雷・水・土・風・聖・闇に分けられるの」
「炎は氷と、雷は水と、地は風と、聖は闇と反発しあうんだ」


8種類の属性について説明し始めた。
その事について知らなかったのはレンだけだった。

「反発しあうってことは、例えばさっきのような炎属性の魔物に魔法攻撃をするとしたら、氷属性の魔物を当てれば一番ダメージを与えられるってこと。逆に炎属性の魔法を当てれば敵は回復しちゃうんですよ」
「ふーん…なんか難しいんだな」
「そんなことないよ」


すぐに覚えられるよ、と言うエメラルド。

「…まあ、そうだな」


考えてみれば簡単かもしれない。今もある程度頭には入った。
レンはどちらかと言えば前向きな性格である。

…………前向き?


「(じゃあなんなんだよ、このモヤモヤは…)」


レンの心は霧がかかったようにすっきりしなくて、なぜだか重苦しかった。
すると先程自分が見た光景がスライドショーのように脳裏に浮かんでくる。

みんなが戦う姿を、見た。


「(オレは…)」


何もない。魔法も、力も。

この間精霊を召喚したが、慣れない。どうこの力を使えばいいのかわからない。

わからないんだ。


「なあ、レン」

後方からカノンの声がして振り向く。
カノンはレンの隣に並んだ。


「何か、あったのか?」
「え?」

思わず問い返した。
だが自分が不安に思ってる事が周りに気付かれていたんだと思うと、何だかカッコ悪いなとレンは思う。


「不安になったよ」
「?」
「あの女の子の事もそうだけど、他にも…なんかオレ、無力だなぁってさ。魔法とか、力とか

そんな事を言ったからか、カノンは黙ってしまった。
レンは慌てて明るく振る舞う。


「ごめん、こんな事言ったら困るよな!」
「……無力なんかじゃないよ」
「…?」
「レンはみんなを引っ張ってってくれるし、魔法がうまく使えなくたって強いし…初めて会った時だって受け入れてくれたし…あの時だって守ってくれたし…」

レンは『あの時』がいつの事だったか考え、森での事を思い出した。
カノンの方はまだ、それとそれと、と考えている。
そんなカノンの頭にレンはポンと手をおく。


「ありがとな」


レンが笑顔を見せるとカノンはみるみる赤くなる。


「(ポンって!頭…!つか何だよあのスマイルは!)」

変な感覚に襲われた。
息が詰まるように苦しくて、でもそれは全然悪いもの≠ネんかじゃなくて。

顔が火照る。


「ぬわぁぁあああっ!!!」


叫んで全力疾走。
ポカンとして見つめるレン。

「アレどうしたの」
「……さあ?」


なんか照れてんじゃね?とレンの声が聞こえた。


「(照れてるよ!)」





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