Unlimited time


□act:3 一緒でも
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「こっちが男子部屋、こっちは女子部屋だ」


カノンが部屋を指差して説明する。部屋は向かい合っていて、廊下が狭いので同時にドアを開けたらぶつかりそうだ……とアリアは思った。

「大丈夫かな…」
「何が?」
「いや、いろいろと」


不思議そうに顔を覗いてくるエメラルドに『何でもない』と言って反対方向を向くアリア。そっちは出口。
カノンがアリアに声をかける。

「どこか行くのか?」
「少し、外の空気吸ってくるよ」
「…そっか」


ひとりにさせてあげようと思った。きっと、先程の涙にもワケがあるから。
アリアの背中を見て、いってらっしゃいと呟いた。





++++++++



もうこんなに遅いのに、アリアは帰ってこない。
エメラルドはもう眠りについていた。

カノンはベッドから抜け出し、ベランダに出た。
街はまだ明るいまま。いつになったらこの光は消えるんだろう。

カノンは手すりに寄り掛かった。
あの時のアリアの涙が、忘れられない。


「どうしたんだい?浮かない顔して」


不意に頭上から声がした。
見上げると庇の上からレンが顔を覗かせている。

「レン!?何してるんだ」
「いやね、暇だったんで屋根の上にいたんだよ」
「はぁ…」
「カノンも来るかい?」


レンはそう言って手を差し出してきた。





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