Unlimited time
□act:2 記憶の片隅に
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「これ…オレしか触れないんだよなぁ…」
なんでだ、とレンは石を片手に首を傾げた。
本来淡いピンクに輝く石。今は周りが暗いのであまり輝かない。
「私にも見せて見せてくださいよ♪」
「おい、ちょっ」
ちょいと石を奪うクレッドを、弾かれると言って止めようとするレン。
だがクレッドは普通にその石を持っている。
「!?それは…!」
「レン君と私しか触れられないんですか…。…そうですか」
クレッドは静かに笑う。
「レン君」
「?」
「君は運命≠ナ、私は特別≠ネんですよ」
「はぁ!?」
意味がわからない。運命?特別?
だいたいなんで自分とクレッドしか触れないんだ。
クレッドはそんなレンの胸中を察したように言う。
「今は意味がわからなくても、いつかちゃんとわかりますよ」
そう言って石をレンに返すと、スキップで先に進んでいくクレッド。
そんな事をいうのだから、クレッドはわかってるんだろう。
なぜ自分とレンしかこの石に触れられないかが。
なら教えてくれればいいのに。
ああ、焦れったい。
「カノン、行こう」
「ん、ああ」
するとカノンの横の草藪から何かが飛び出して来て、カノンに襲い掛かろうとする。
突然の事過ぎて動けなかったカノンをレンは押す。
結構大きめのいかにも堅そうな、例えるなら亀のような。
「魔物ですか…」