Unlimited time


□act:7 君がいた場所
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近付く地面に、焦った。下は川であったが、浅い為、落ちればゴツゴツした石に打ち付けられるだろう。

レンは頭の中を廻らせた。
何か、何か方法は……。


「…………」

そうだ。メルトがいた。
頭にアリアの封印の事が過ぎるが、今はこの状況をなんとかしたかった。


「メルト!」


メルトの名を叫べば、辺りは淡いピンクに包まれる。すると落下の速度が落ちる。
さすが時の精霊。時間の流れを遅くしたか。
無事下に着地すると、下が川の為 靴に水が入り込んできた。

「アリア、悪い」
「何が?」
「封印…」
「いいよ、別に。全然気にしてない」





act:7

君のいた場所





ピチャピチャという水を踏む音が響く。
上を見上げると、長細く藍色の空が見えていた。崖と崖の間に流れる川らしい。

「これいつまで歩くの?」
「そのうちどっかに着くだろ」
「どっか?」
「そう、どっか」

不確かだ。


「疲れた」
「もう少し」
「ここ狭いもんね」
「どこか広いところがあればいいけど」

とにかく会話。喋っていないと静かだし、暗くて不安だし、とにかく喋らなければの一心で。


「お腹すいたね」
「魚いる?」
「いるかも」
「食べる?」
「広いところがあればいいけど」

結局同じ台詞で会話は終わる。
多分全員が『広いところ』を探して歩いていた。


「あそこは?」
「どこ?」
「…ごめん、違った」

暗くて辺りがよく見えない。




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