Unlimited time


□act:4 意味
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「カノン、それが終わったら回復まわって!」
「わかった!」


敵は『ニーズヘッグ』という魔物。大蛇の姿をし、紅い目で睨んでくる。
レンがニーズヘッグに切り掛かると、短剣にネバネバした緑色の体液がついた。


「うっわ、気持ち悪」





act:4

意味




アリアが宙へ高くジャンプしてから続けて飛び蹴りを食らわす。柔らかいニーズヘッグはその振動で揺れ、まるで蒟蒻を思い出させるよう。

「蒟蒻嫌いになりそう…」
「私はプリン嫌いになりそうだ」


なるほど、プリンにも見える。だけどアリアは甘党なので、プリンを嫌いになることは恐らくないと思った。
それに姿は、蒟蒻でもプリンでもなく、大蛇である。

「ゼリー蛇≠ネんてどう?」
「………それいいかもっ!」


アリアの言葉にエメラルドが矢を射る。エメラルドの武器は弓矢であり、彼女はそれを横にして射る。
矢は見事大蛇の身体に命中。なんとも言えない声をあげた。ガラガラの低い声と、甲高い声が重なったような声だ。

すると身体を捩っていたニーズヘッグがこちらを向いて、紅い眼で睨んでくる。
クレッドが紅い眼だが、それとはまた違う。ニーズヘッグはルビーでも嵌め込んだのかというくらい煌めいて、それでいて炎のようで恐ろしい。
そういえば確か、ニーズヘッグは炎属性だっただろうか。

カノンは、炎属性の黒魔法ファイア≠撃とうとしているシオンに言った。


「ニーズヘッグは炎属性だ」
「ああ、すみません」

気付いて、放とうとしていた炎を消した。
そんなやり取りを聞いていたレンが訊ねる。

「属性ってなんだ?」
「レン、知らないのか?」

ああ、という意味で、レンは自分の頭をクシャクシャと掻いた。


「また後で説明するよ」


今は敵を。

レンは敵に向き直り、短剣で切り掛かる。
例の如く短刀をニーズヘッグから抜き取れば、緑の体液が糸をひいた。
本当に気持ち悪くて、食欲が失せるほど。

ふとレンは、氷魔法チル≠放つシオンを見た。ニーズヘッグに冷気が降り懸かる。
暫くしてから次に白魔法で回復するエメラルド、双棒を叩き付けるアリア、地震クエイク≠起こすクレッド、バイオリンを弾くカノン、と順番に見ていく。

そして振り払うように頭を振ると、アズサに襲い掛かろうとしていたニーズヘッグに短剣で切り掛かった。

緑色の体液が糸をひき、声をあげてニーズヘッグは力尽きた。粒子化するニーズヘッグの光が周りで浮いている。


「ありがとう」


カノンが微笑んで、レンを見る。
レンはニカッと自慢げに笑った。すると短剣をくるくると回して腰に戻す。

隠しても無駄だ。
様子がおかしいって事くらい、わかるよ。




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