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「・・・なるほど、つまりはレモンちゃん達が海賊から足を洗いたいからここで働かせて欲しいと?」
ふぅ、とタバコの煙を吐き出すシャッキー
「駄目かしら、おばさま・・・。私、なんでもするわ」
ずいっとシャッキーのいるカウンターに身体を乗り出すレモン
「私は良いのよ。むしろ助かるわ。
問題はあなたたちの方。いいの、本当に?」
シャッキーの言葉がずんと重くのしかかる
一番早く口を開いたのはレモンだった
「・・・ええ。もう決めたことだもの。
それにこれが今生の別れじゃないわ。
それに何があるか分からない新世界だけど、不思議とリオならまた帰ってきてくれるような気がするのよ」
!!
また帰ってくる、か・・・
レモンの言葉に思わずくすりと笑う
「私の意見も同じだよ、シャッキー。これが今生の別れじゃない。離れていても、私たちは仲間。
新世界に行って、ローが海賊王になって一息ついたら、またこの地に戻ってくる。約束するよ」
にこりとレモンに笑いかける
「あなたたち・・・。フフッ、気に入っちゃったわ。
レモンちゃん、いい仲間に巡り合えてよかったわね」
タバコを吹かしながらフフッと笑うシャッキーにレモンも笑う
「ええ、自慢の仲間よ!
それにね、私の頭の中ではもう再会したときのプランが出来上がってるの」
両手の手の平を合わせて嬉しそうにするレモン
プラン・・・?
「まずはね、再会は8年後くらい。
その時にはハートの海賊団は新世界を征した今よりももっと大人の色気を出してるトラファルガーさんと、世界三代美女にカウントされるほどの美しさを持ったリオが笑って会いにくるの。
クロウは少し遅れて来て、真っ先にライトを抱き上げる。
その後、私とヒドラの子供三人がリオの後ろに隠れてるトラファルガーさん似の息子と遊ぶの。
私たちはそれを見ながらこのBARで酒を片手に、旅話に花を咲かせる・・・。
こんな未来なんて、どうかしら?」
・・・。
「とっても、素敵で幸せな未来だね・・・」
「でしょ!?だから、実現しましょ。私もこの夢が叶うように努力するわ」
叶うように努力、か・・・
「うん。頑張る!!・・・に、しても私、息子産むの?」
「うーん、なんとなくそんな気がしたのよ。それで、トラファルガーさんとその子供であなたを取り合うの」
レモンの言葉は意外にも想像できる現実的な話だったから、また笑ってしまった
「ははっ・・・!!
あー、まさかこんな風に笑って別れるなんて思わなかったよ」
「あら、再会のための別れよ。・・・無事にまた帰ってきてね」
優しく目を細めるレモン
「うん・・・。約束する、絶対戻ってくるよ・・・!」
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