アルビノガール

□10時間目
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「・・・と、トラファルガー?」



「お前、小さいころ病気がちだったろ・・・」



!!



「なんで、それ・・・」



「なのにいつも抜け出して・・・、おれと会っていた・・・」



!!



会っていた・・・?



私がトラファルガーと?




・・・!!






『お前、おれが怖くねぇのか』




!!




私がまだ幸せだったとき、毎日病院を抜け出し海に通っていたある日、私は不思議な男の子と出会った



その子はいつも悲しそうな不幸そうな顔をしていて・・・



それでもその子の本質は優しくて一緒にいて心地好かったから、いつも隣にいた



・・・あの事件が起きるまでは、




その子の名前は確か・・・




「・・・ロー?」



私がそう言った瞬間、抱きしめる手が一層強くなった




「っ、ようやく、会えた・・・。もう二度と逃がさねぇ!!」



「っ!!」



私の首に顔を埋め、苦しげにそう呟いたトラファルガー




それはあの日の少年そのもので・・・




っ、私はなんでこの人のことまで忘れようとしてたんだろう・・・



「おれはずっと待ってた、雨の日だって雪の日だって、お前が帰ってくると、そう思って・・・」




震えた声、




過去も今も彼を苦しめてるのは私だった・・・



そう分かると、左胸がズキズキと痛む



おかしいな、病気はもう治ったはずなのに・・・




私はトラファルガーの背中に手を回した



「ごめん、なさい・・・」



「・・・おれが、嫌いになったか」




「ちがう!!私は、ローが好きだった・・・」




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