アルビノガール

□9時間目
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「・・・失礼、します」



ドアを開ければ私の部屋とはがらりと違った世界



間取りは同じなのに置いてあるインテリアでこうも変わるのか・・・



黒を貴重としたモダンな雰囲気をかもしだしてるその部屋は私の好みだった




すたすたと奥へ進む



間取りは私の部屋と一緒だからきっと寝室はこっちだろう



・・・まず病人の具合を診ないと対処の仕方がわからないし




そして寝室のドアを開けた時、




私は驚いて目を見開いた




黒いベッドの上で苦しそうに目を閉じる彼は、




昨日私に黒い傘を貸してくれた・・・




「トラファルガー・・・?」




私が名を呼べば、鈍い声を上げながら瞼を開ける彼



「ゲホッ、まだいたのか麦藁屋・・・、帰れって言っただろ」



こちらから彼の姿は光が射しわかるが、彼からこちらは見にくいのだろう私をさっきの麦藁帽子の子と間違えているようだ



喉がかすれたような声だが確かにトラファルガーだ



「なんで・・・」



一歩、また一歩、と彼に歩み寄る




「あぁ?なんだ・・・」



「なんで昨日、あなたは私に傘を貸してくれたの・・・」



その瞬間、トラファルガーが驚いたように私を見上げた




「!!・・・アリア、」




「麦藁君から聞いた、・・・ずぶ濡れで帰って来た、って。私に、傘貸したせい、だよね・・・」



額にうっすらと浮かぶ汗、いつもより明らかに赤い顔



歪んだ顔に見つめられれば、目を反らしたくなる




「お前のせい、じゃねぇよ・・・。おれが勝手にしたことだ」



「・・・。」




この人は・・・



「わけ、わからない・・・。どうして、」



私なんかをかばうの・・・



「・・・お前は、昔のおれに似ている。見てられなかった。・・・ただ、それだけだ。

・・・もういいだろ。さっさと帰れ」



じゃあな、と言うなり布団を被り私に背を向ける彼



ここで、はいさようなら。なんて言えるはずがない




・・・百歩譲って昨日までの私なら出来ただろうが、彼がこうなってしまった責任の半分以上は私にある



「そういうわけには、いかない・・・。私、麦藁君にあなたのこと、頼まれてるから・・・」



「ちっ、麦藁屋め・・・」



余計なことしやがって、と呟く彼



悪態すら今日は弱々しい




「麦藁君が来るまでは、私はあなたを看る、義務がある・・・。だから、帰らない」




そこまで言うと、勝手にしろと言って布団に潜ってしまった





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