アルビノガール

□8時間目
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「待っていたわ、水井寺アリア!!」




かちゃりと屋上の扉を開けば、十人くらいのケバい系の女子達



それを見て、私は思わず




−パタン



扉をゆっくりと閉めた




・・・いや、だっていすぎでしょあれは




「なに閉めてんの、マジありえないし!!」



バンッとケバい女その1がゼエゼエと荒々しく扉を開く




「・・・びっくり、したから」


「はあ?意味わかんねぇし。とにかく来いよ!!」



手首を捕まれ無理矢理屋上へと歩を進まされる



手首に爪刺さって痛い・・・



そして、10人のケバ女達の前に立たされると1人のケバ女が口を開いた




「あんたどういうつもり!!」



「はあ・・・。いきなり、なに・・・」



「しらばっくれてんじゃねぇし!!ローくんのことだよ!!」



・・・やっぱりか、



「祖父が決めた婚約者、ただそれだけ」



「それだけって・・・、今すぐ別れなさいよ!!」



別れる・・・、か



「どうやって?・・・私は、財閥令嬢。トラファルガーと婚約、したのは、中央病院のパイプ役のため・・・。もし断ったら、何千という人達が、リストラ、される・・・。シルバーズ系列なら、あなたたちのご家族だって、可能性はある」




・・・真っ赤な嘘。



シルバーズ財閥の景気は中央病院とのパイプを切ったところで全く問題はない



むしろ損益を被る(こうむる)のはトラファルガーの中央病院のほうだろう




「っ!!ふざけんな!!」



パシンと鋭い痛みが頬を襲う



ああ平手打ちされたのか、なんて客観的に見れる私は本当に可愛くないと思う




ふざけてるつもりはないんだけどな・・・



「私と彼の間に、愛なんてない。・・・だから、あなたたちと浮気だろうと、何しようとかまわない。私たちを結ぶのは、互いの利益、だけ・・・」




「っ、ざけんじゃないわよ!!」



ケバ女がまた手を挙げた時だった



「・・・ふざけてんのはそっちだろ」



聞き覚えのある低い声が、私達が今立っている場所より2mほど高い畳6丈分のスペースから聞こえた



声の主は不機嫌そうに私とケバ女の間に立つとケバ女達を睨みつけた



「人が気持ち良く寝てる時にキーキー猿みてェに騒いでんじゃねぇよ・・・」



ぼりぼりと頭を掻き、元々鋭い眼光を更に鋭くする男、トラファルガー




トラファルガーの顔を見るなりケバ女達は面白いくらいに態度を変え、顔を青くし焦りまくった



えっとぉ、だの、これはちがうの!!だのよく分からない言い訳をしている



「・・・おれのことでこいつに関わるのは止めろ。こいつが言ってるようにこれはただの利益の共有だ。政略結婚に愛なんざねェ」



「ろ、ローくん。だけど・・・」



尚も反論しようとするケバ女も彼にじろりと睨みつけられれば言葉を失う




そして居心地が悪そうにぞろぞろと仲良く屋上から去って行った





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