アルビノガール
□7時間目
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「トラファルガー!!その薄汚ェ手退けろ!!」
背後から聞こえた声に振り返ればそこに鬼の形相をした幼なじみの姿
「もがっ!!(キッド!!)」
「うるせェな。・・・ちっ、ほらよ」
トラファルガーは私を解放すると、キッドの方へ行くように背中をぽんと押した
珍しい、こいつが簡単に退くなんて・・・
キッドは私の身体を支えるとまたトラファルガーを睨んだ
「婚約者だろうが何だろうが関係ねェ、おれはコイツを悲しませる奴がいたらぶっ殺す!!」
「はっ、そりゃ健気なことだな・・・」
踵を返し、自身の席へ戻るトラファルガー
なんでだろう、彼の背中が少し淋しそうにみえるのは・・・
「・・・アリア、どうした?」
キッドに名を呼ばれ、はっと顔を上げる
「ごめん、なんでもない。ちょっと、ぼーっとして・・・」
「大丈夫か、昨日のせいもあって疲れてるだろう」
優しく頭をなでてくるキラーににこりと笑って首を横に振った
「大丈夫。心配かけて、ごめん・・・」
「なら良いんだが・・・。お前は昔から無理ばかりするからな・・・」
「それより昨日の発表なんだよ!!あんなことしたら後戻りが・・・」
「できにくい、ね。・・・なんでかわからないけど、おじいちゃん、・・・トラファルガーのこと、凄く気に入ってるみたいだし・・・」
本当に、よりにもよってなんであいつをおじいちゃんは選んだんだろう・・・
あの猫被りにおじいちゃんが気づいてないわけがあるまいし
「もう諦めてトラファルガーと結婚すりゃいいじゃねぇか。あいつも悪い奴じゃないだろ」
「ふざけんな!!あんなやつにアリアを渡してたまるか!!」
ギロリとボニーを睨みつけるキッドだが、ボニーはニヤニヤと笑う
「じゃあお前とくっつきゃ良いじゃねえか、お前ならアリアのじいさんも納得するだろ」
「は、はあっ!?な、な、何言ってんだテメエ!!わけわかんねぇし!!」
トマトみたいに真っ赤になるキッド
「ボニー、キッドは私には、もったいないよ・・・」
私は彼に出会わなければきっと今こうして普通に生活できなかっただろう
強くて優しくて面倒見の良いキッド
そんないい人は私なんかよりもっと素敵な人の方がいいに決まってる
となると、私にはトラファルガーの方が似合いなのかな・・・
ちらっと自分の席の隣を見れば、沢山の女子に囲まれたトラファルガー
・・・うん、ありえない。
絶対似合わない。ってゆーか、私と反りが合わないや・・・
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