アルビノガール
□3時間目
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なんで・・・、
なんで・・・、
脳内を色んな疑問がぐるぐる駆け巡る
「おじい、ちゃん・・・。なにそれ、私、聞いてない・・・」
「聞いたら君は反対するだろう。それに婚約者は君が決めたんだ」
震える手でおじいちゃんの服の裾を引っ張ればおじいちゃんは苦く笑う
私が決めた・・・?
「この前、見合い写真の束を見せて君に選ばせただろう?・・・君はとてもユニークな方法で選んでたけどね」
見合い写真・・・?
「・・・。」
そういえばおじいちゃんから写真の束貰って、それらを紙飛行機にして1番飛んだやつを選んだんだっけ・・・
紙飛行機にしていたから中身までは見なかったけど・・・
「その顔じゃ思い出したようだね」
ぽんぽんと頭を撫でられ、座りなさいとトラファルガーの前のソファに促された
ニヤニヤと見てくるトラファルガーが実に腹立たしい
「うちの息子を選んで頂きありがとうございます」
トラファルガーの父親が頭を下げる
・・・選んだつもりはないけど
「こちらこそ、アリアを選んでくれてありがとう。ローくんほどの男なら言い寄ってくる女の子が絶えないだろう」
おじいちゃんはトラファルガーににこりと微笑む
トラファルガーは私をちらっと見て薄く笑った
「まあそうですね。でもアリアさんはどんな女性よりも素晴らしいですから」
よく心にもないことを・・・
さっき、十人並み、って言ってたくせに
「そういえばローくんはアリアと同じ学校に通っていたね。どうかな、君の目から見てアリアは」
「そうですね・・・」
考えるように目を閉じ、そして目を開け口角をあげて笑った
「色んな意味で珍しい、ですね。今までおれが会ったことのないタイプで困惑と興味が湧いているって言うのが本音です」
トラファルガーの答えを聞いたおじいちゃんは目を丸くして、そして笑った
「はははっ。珍しい、か。そうかそうか。
・・・いや、君を婚約者に選んで良かったよ。君になら安心して任せられる。
そしてゆくゆくはアリアが継ぐこの財閥の後継者になってくれ」
おじいちゃんがあまりにも幸せそうに笑うから、私は反論をすることなんて出来るわけがなかった
「じゃあ、後は若い二人に任せて老人は消えるとするか。アリア、私達は少しここで話しているからそれまでローくんと自分の部屋でくつろいでいてくれ」
・・・絶対くつろげない。
よし、逃げ・・・
「ああ分かってると思うが逃げたりなんかしたら。後で・・・、ふふっ」
「に、逃げない!!」
怪しく微笑んだおじいちゃんに冷や汗をかく私
おじいちゃんがあーやって笑う時は録なことがない
仕方なく私は席を立ち、トラファルガーを連れて自室へと向かった
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