アルビノガール
□1時間目
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騒がしい入学式が終わり、指定されていた教室に入る
1-Sと書かれた札のかかっているそこはあたり前だけど知らない人で溢れかえっていた
キッドとキラーが同じクラスだったから良かったものの残念ながら席は正反対だった
自分の席に着き鞄を下ろすと隣から聞こえる黄色い声
振り返ればそこには黒髪の明らかにモテそうな男が3、4人の女子達に囲まれていた
女子は楽しそうだけど、男の方はつまらなさそー・・・
なんてまあどーでもいいか
椅子に座り鞄から取り出した小説を読んでいると感じる視線
髪の色とか目の色のせいで私を初めて見る人には凄く好奇な目で見られることが多くあったため、気づかないふりして小説をめくった
「鬼楽刑事事件簿・七ツ暮島殺人」
隣から聞こえた聞き慣れない声に首だけを隣の彼に向ける
女をいつのまに追い払ったのか今は彼一人だった
「なんで、分かったの・・・」
私の本にはカバーがつけてあって表紙なんて見えない
ミリオンセラーとかになったメジャーな本ならまだしも、この本はマイナーすぎるくらいマイナーだ
私の問いににやりと笑った彼
「なんてことはない。ただおれもそれを読んだことあるからな。余り知られてないがそのシリーズはなかなか楽しめる。・・・犯人教えてやろうか」
私の机に肘をつきじっと見つめてくる男
「べつに・・・、どーでも」
教えられたところで、ああそうですかと言うだけだし言わないでなんて慌てるほど大したことではない
男から目を外し、また小説を読んだ
「へえ・・・。面白い、流石に首席合格者は言うことが違うな、・・・アリアちゃん?」
呼ばれた名前に不快感を感じ、彼を軽く睨む
「名前、なんで、知ってるの」
「ああ変な思い違いするな。別にお前に気があるとかそう言うわけじゃない。・・・まあ今日の夜になったらその問いの答えは勝手に出るから気にしないでいい」
くくっ、と笑う彼に私はまた不快感が増したが、相手にするのは面倒だったから黙って小説に目を通した
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