番外編
□まったりしましょ
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隣には、腰を覆うタオル一枚の男
そして胸と腰を大きなタオルで覆っている私・・・
「・・・いやこの状況おかしいでしょ!!どうしてこうなった!!」
ばしゃりと水面を叩く
目の前の男、ローはニヤリと笑って私の腰を抱いた
「お前の強運に感謝だな。まさか、宿のくじ引きで一等を当てるとはな・・・」
「まさか、一等が温泉つきスイートルームだとは・・・。普通の部屋に泊まってるペンギンさんに申し訳ないよ・・・」
誘ったのに私たちに遠慮してかペンギンさんには断られた
「・・・っていうか、ロー。この状況めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど・・・」
互いに身につけてるものは布一枚
そしてさっき抱き寄せられたせいで、ローのあぐらの中で私は膝立ちしている状態、つまり私の胸の辺りにローの顔があるわけで・・・
『一人で入ってもつまらねえだろ。』
安易にローの言葉に賛同した過去の自分を恨む・・・
「くくっ、気にすんな」
いや、するわ。しなかったら相当肝が据わってるわ
いや、でも、心頭滅却すれば火もまた涼しって言うからな、きっと煩悩を捨ててローを見れば・・・
ちらっ
「・・・。」
「?・・・いきなり黙ってどうし「無理だわ!!心頭滅却できないや!!」は?」
うう・・・と俯く私を異様な目で見てくるロー
「色気有りすぎ・・・。捨てても捨てても煩悩がなくなんないわ。だいたい女の私より色気あるってどーなのよ・・・」
煩悩の代わりに私の女としての自信が喪失したわ・・・
俯く私の頬にそっと手が添えられる
「お前だって十分あるだろ。今この瞬間だって、こうしておれを誘ってやがる・・・」
ぐっと抱き寄せられたと思えば、かぷりと噛まれた首筋
身体中の熱が集まって私の顔は茹蛸みたいに真っ赤だと思う
そんな私を見てくくっと笑って続けるロー
「やっ・・・、ちょっ、ロー・・・」
ちくちくした髪がくすぐったくて、身をよじるが背中に腕を回されているために逃げることは不可能だ
いや、まあ能力使えば出来るけど・・・、こんな心が不安定な状態で使うと下手すればローを殺しかねない
「い、・・・」
「い?」
「いい加減にしなさい、ばか!!」
「うぐっ・・・!」
流されてはいけまいと、渾身の力でローの頭にチョップ
「リオてめえ・・・、いきなり空手チョップはねえだろ」
「いきなりセクハラしてくるほうが悪いの」
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