番外編

□サファイア色の恋
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リジェネについて半年が立ち、医者が言うにはあと一週間ほどで出産日がくるらしい



「・・・名前はね、まだ決めてないの」



天蓋つきのベッドで力無く笑うサフィリア



「それがいいだろう。子供が無事生まれ、お前がその子を抱いた時に改めて考えるとしよう」



青い髪を優しく撫でてやれば、サフィリアは何故か泣きそうな顔をした



「どうし「私、この子に迷惑かけないかなあ・・・!!」何を言っている・・・」



「最近ね、思うの。この子が私のせいで身体が弱く生まれて来たらどうしようって・・・!」



ぼろりと涙を流しながら縋り付くいつもの気丈な態度ではないサフィリアに少しばかり戸惑った



「そんなことになったら、私、・・・私っ!!」



顔を手で抑え嗚咽混じりに泣くサフィリア



その姿には気高い女王の面影はなく、子の身を案じては泣くただの女のように感じられた



そうだった。こいつはこういう奴だった・・・



国民を護る為に弱い本当の自分を隠し気丈に振る舞う・・・



だからこいつは強く、美しいのだ



「何も案ずることはない、サフィリア」



小さな肩をそっと抱き寄せれば、涙が溜まったその不安そうな瞳に見つめられた



「ソレはおれの子だ。おれの子供が弱いはずないだろう?」



「ミホーク・・・」



「信じろ。自分とおれと、・・・そしてリオを」



「リオ・・・?」



「ああ、子の名だ。今、思いついた。
太古の昔からこの島にあるあの大樹の名は確かリオと言うのだろう」



フッと笑えば、サフィリアも何よ・・・と笑った




「狡いわ。私が決めようと思ったのに・・・、そんな素敵な名前なら反対すること出来ないじゃない。

リオ・・・。リオ、リオ・・・。ふふっ、いい名前。この子もきっとあの大樹のように健康に育ってくれるかしら」



「違いない・・・」





その一週間後、黒髪に青い目をした少女が多くの者に祝福されながら産声をあげた



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