番外編

□サファイア色の恋
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二度目の出会いは本当に偶然だった




物資の調達のために立ち寄った酒場、そこでアイツはワインを優雅に飲んでいた




・・・絡まれると面倒だ、気づかれないうちに出るとしよう




極力音を立てずに去ろうとしたのだが、なぜかその瞬間振り向く女




「あーっ!!鷹の目ぇっ!!」



静かな店内に響き渡る声



他の客はおれの存在に気づくとそそくさと立ち去ってしまい、店内にはおれとサフィリアだけが残った



・・・何の営業妨害だ、これは




「あんたまた会議来なかったでしょっ!!まあ招待状書いたのセンゴクだからいいんだけど、ザマミロあのくそじじいー」




酔っているのかほのかに顔が赤い




「そうかよかったな。では俺はそろそろ行くぞ」




踵を返しさっさと立ち去ろうとしたが、がしりと捕まれる手首・・・




「ふふっ、帰さないわよ〜」



おれの後ろで悪戯っ子のように笑うサフィリア




「貴様・・・・・・」



「い〜じゃない、こっち来て飲みなさいよあんた」



上機嫌で笑うサフィリアは自分の隣をばんばん叩き酒場の静かな雰囲気を見事に壊していた



仕方無く指定された席に座り、その店で一番良い酒を頼んだ




「うっふふー」




「何をいきなり笑う」




「いや、あんたとこーやって飲む日が来るなんてねー」




「おれは全く望んでいなかったがな」




「そーゆうこと言わないの。合縁奇縁って言うでしょー。それに私はあんたと一度こうして飲みたかったわ」




ぐいっとグラスの中の酒を飲み干すサフィリア




もう一杯と言わんばかりに店主にグラスをつきだしていた




「どういう意味だ・・・」




「前々から気になってたの。あなた、凄く綺麗な目してる」




おれの頬にそっと手を置き、優しく微笑むサフィリア




こうしてゆっくりと見るとあらためてこいつの美しさを実感せざるを得ない



世界三代美女の一人、ロズマリア・サフィリア・・・――



"慈愛溢れる気高き女王"




会議の時はまったくそんなふうに感じなかったが今のこの物腰緩やかな様子を見ていると確かにその意味が分かる




「やっぱり手配書や遠目で見るよりずっと綺麗」



つーっ、と白い細い指が頬を滑る



「・・・だから私、あなたと会ってみたかった。だからずっと会議に来るように手紙を書いてたのに・・・」




あんたは来なかったわね、と少し拗ねたような口ぶりで俺を睨みつけてくる




サファイアに例えられるほどの美しい青い瞳、それが今はおれだけを映している



その事実ががらにもなく胸を弾ませた




「サフィリア、おれのものになれ」




考えるよりも早く、口が動いていた・・・――



俺も所詮は海賊なのだろう、目の前にある美しい宝を強く欲している



サフィリアは目を見開いた後、笑った




「何の冗談?一夜限りの仲なんて私はイヤ」




「一夜限りくらいでおれが満足するか。おれの隣で一生を添い遂げろ」




目が点になるサフィリア




「えっと、鷹の目。私たち会ったばかりよね・・・」




「時間など関係ないとよく言うだろ。要はどれだけ相手を欲しているか、だ。おれはお前が欲しい、誰よりも何よりも・・・」




「・・・。イヤよ」



くすりと妖艶に笑うサフィリア




「私だってあなたが欲しいもの。あなたの綺麗な瞳がね」




首に手を回して、おれと向き合うサフィリア




「お前が望むのなら、両の目くらいくれてやる。だからお前もおれのものになれ」



そう話せばサフィリアは目を見開き、くすくすと笑った



「ふふっ、面白い口説き文句ね。
はじめてよ、目をくれるなんていった人。
いいわあなたのものになってあげる。
・・・でも目はあなたが持っていて、あなたの目に映る私が好きなんだもの。あなたの世界に居るみたいで・・・」




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