Jewel Honey
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「エー・・・ス、」
彼の名を呼ぶ声と共にむぎゅりと抱きしめられた
「リオっ、良かった生き「お前何してくれとるんじゃ!!!」あがっ!!」
抱き着いて来たエースにアッパーカットを決めるとふんと尻餅をつくエースを見下ろした
「あなた寝ている無防備な私にキスしたらしいじゃん。教会の子供たちが言ってたよ」
「したけど、なぜこのタイミングで・・・。ここは抱き合って再会を喜ぶところだろ!!」
「そんな再会私達には似合わないでしょ。拳で語り合うのが私達じゃない」
「どこの格闘家の奴らだよ!!・・・まあとにかく元気そうで良かった」
よっと、と立ち上がるエース
「ところで・・・」
ぐるりと周りを見回すエース
「なんでこんなところにいるんだ。まさか脅されてんのか?」
じろりとペンギンさんやシャチさんを睨みつけるエースと怯む二人
「エース、」
エースと二人の間に立ち両手を広げる
「あなたの想像しているようなことは一切されてない。この人たちは私を助けてくれたの。・・・恩人に手を出すような真似したらエースでも容赦しない」
キッと睨みつければ、エースはぽかんとした後、ニッと笑った
「なんだ、そうだったのか!!
悪いな睨みつけちまって。リオを助けてくれてありがとな!!」
帽子を押さえて勢いよく頭を下げるエース
エースのこういう素直なところが私は大好きだ
・・・いや、恋愛感情は全くないけど
あまりの出来事にきょとんとしている皆
「ここの船の船長に礼を言いたい。誰か教えてくれ」
皆は一斉にドアに寄り掛かるトラファルガーさんを見た
その顔は少し不機嫌そうだ
「あんたか。リオが世話になったらしいな、ありがとう!!」
エースはニコニコとトラファルガーさんへと足を進めた
「ああ・・・、だがお前に礼を言われる筋合いはない。おれはしたいことをしただけだ」
「へえ、謙虚なんだな。好きだよお前みたいなやつ」
「おれは男に好かれても嬉しくはない」
「はははっ、そー言うなって。安心してくれ、おれもそっちの気はねえからよ」
ばんばんと不機嫌なトラファルガーさんの肩を笑顔で叩いた
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