Jewel Honey
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「・・・ってか、リオの船には良い女いねえのかよ」
酒場でシャチさんに絡まれてから数時間経った
私は果実酒に口をつけながらシャチさんの愚痴を聞いていたのだがいきなり焦点を私の船、フロート海賊団に合わせてきたシャチさん
「それはおれも気になるな。ただし女だけでなくお前の船員たち、だが。どんな奴らだったんだ?」
シャチさんの隣で度数の高い酒を飄々と飲むペンギンさんがふと思い出したように聞いてきた
私のもう片方の隣のトラファルガーさんも興味深そうに私を見つめてきては無言、なんてできないだろう
でもあいつらの説明なんてめちゃくちゃ難しいんだけど・・・
「フロート海賊団でいいんだよね。
・・・んー、みんな人一倍警戒心が高くてだけどなんだかんだで優しい奴らだよ」
「なんだそりゃ。わっかんねえな」
「あー、一人一人説明しようかどうせ4人だけだし」
そして、酒場にある手配書の束をペラペラめくりそのうちの4枚の手配書を机に置いた
「先ずこの人。懸賞金1億の"マッドサイエンティスト"ユードリナ・ヒドラ。
・・・ヒドラは通り名のようにちょっとそれたところがある科学者で、よく私に色々な薬を試してくるの。あ、でもめちゃくちゃ有能で物知りなんだ。うちの船医やってくれてる。ちなみに彼の恋人に手を出したら地獄を見るよ」
「地獄・・・。それに試すってなんだよ。大丈夫なのか」
「毒薬じゃないから大丈夫。ただちょっと尻尾が生えたり異性になったりとかするくらいだから」
「尻尾か・・・、フフ興味深いな。是非ともそいつに合ってみたい」
トラファルガーさんが絶対良からぬことを考えているので、無視して次に進んだ
「次は、懸賞金7800万の"大怪盗"ルーベリー・レモン。レモンは料理が上手くて優しい美人なお姉さん。で、もと怪盗なだけあって鍵開けとか超得意」
「確かに美人だな」
うおっ、ペンギンさんまで認めるなんて流石レモン姉さん
「紹介してくれよ、リオ!!」
「あー、死んでもいいなら別に良いんだけど・・・」
「へ?」
「さっき言ったでしょ、ヒドラの恋人に手を出したら地獄を見るって。レモンとヒドラは見てるこっちが恥ずかしくなってくるぐらいのラブラブなカップルだよ・・・」
ヒドラは女の私にまで嫉妬するし・・・
「俺達も負けてられないな」
肩を抱き寄せられ、ぽすんと彼の腕に頭を寄せさせられる
「いや、十分っすよ」
「たしかにそんなにべたべたされちゃこっちの目のやり場がないです、船長」
シャチさんとペンギンさんの言葉にぼっと顔が赤くなり目を伏せた
トラファルガーさんはその答えが満足だと言わんばかりにくくっと笑い、酒の杯に口をつけた
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