Jewel Honey

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甲板に出ると、ペンギンさんとシャチさんがいた



二人は私を見るなり笑って手を振ってくれた




それだけでさっきの男の行動が帳消しになるくらい嬉しかった




「今日は遅かったな。寝坊かよリオ〜」




はははっと笑うシャチさん




「うん。二度寝しちゃった」



まあ責任の半分はトラファルガーさんにあるんだけど




「!!リオ、お前その頬・・・」




ペンギンさんが殴られた頬を指さす



流石、洞察力に長けてる・・・




「ああー、腫れてる?さっき寝ぼけて鉄柱にあたっちゃったんだよねー」




あくまで私はいつも通りへらっと笑った



「うわっ見かけによらずドジなのな!!」



ははっと笑うシャチさん、だけどペンギンさんは納得がいかないとでも言うように私を見てきた



「お前、船長の部屋からまっすぐ甲板に出て来たんだよな」



ペンギンさんの言葉に、そうだけどと頷く



「そうか、なんでもない・・・。冷やしとけよ、その跡」



ぽんと頭に手を添えられる




「ん、ありがと」



シャチさんとペンギンさんに手を振り、船首へと歩き出した






「あいつ、鉄柱に当たるなんてバカだよなー」



「バカはお前だ。・・・よく考えてみろ船長の部屋からここまでは一つも見えていて当たるような鉄柱なんてない。それにあの跡は明らかに人の拳の跡だ」



「っ!!・・・じゃああいつは」


「おれ達の仲間に殴られたということだ」



「なんであいつ嘘なんて・・・」



「さあな、だがリオは我を貫いただけじゃないのか」



「自分が傷つく結果になってもか?」



「不器用なんだろ、そう言うところ。・・・それにあの傷はわざわざつけさせてやったみたいだしな」



「どういうこと」



「あいつは仮にも5億の賞金首しかも能力者だ。普通の人間に殴られるなんてヘマしないだろう」



「自分の顔殴られてまで得るものなんてあんのかよ・・・」



「分からない、リオは破天荒だからな」



「分っかんねえ。女って普通自分の顔なんかに傷つくりたくねえもんだろ?」



「なら普通の女じゃないんじゃないか?」




ペンギンの言葉にシャチは違いねえなとははっと笑った



そして、帽子を被り直した




「だけどよ、おれ悔しいわ。あいつは良い奴なのにそれを分からず殴った奴がおれ達の仲間だなんてよ。・・・だからおれちょっと探してくるわ」




ひらひらと背中を向けたまま手をふり、去ろうとするシャチだが待てと言うペンギンの声が聞こえ仕方なく止まった



「なんだよ、とめんなよ」



「とめるつもりはない。おれも行く。・・・おれもなんだかんだでリオを気に入ってるからな」



ペンギンの言葉にシャチはにやけた



「船長に言ってやろー♪」



「そうする前におれが船長にお前がリオを狙ってるとでも言っておく」



「お、おい止めろよ!?冗談だよなっ!!」




慌ててペンギンの後を追うシャチ




二人の後ろではリオが楽しそうに海の中に入っていた





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