Jewel Honey
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午後5時、トラファルガーさんから解放された私は当初の予定より大幅に遅れたが海で遊ぶことにした
どんっ
ハートのクルーの一人と肩がぶつかる
「あ、ごめんな「うぜえ」・・・。」
謝罪しようとすると吐き捨てられる暴言
ハートのクルーの中には私をまだまだ警戒している奴が一部いた
「どうやって船長に媚びを売ったが知らないが真っ昼間にサボってる奴がいていいほど甘い船じゃねえんだよ、ここは」
ぐいっとシャツを捕まれ足が浮遊する
「っ、そうだねごめんなさい。・・・でも一つ撤回、私はトラファルガーさんに媚びなんて売った覚えはない」
「だったらなんで船長はお前を部屋に入れる?・・・今までどんな女も自分の部屋には入れなかった船長が」
「さあ、気まぐれなんじゃない。今までのトラファルガーさんなんて私は知らないから聞かれても困るよ」
へらっと笑うと青筋のたつ男
そのまま拳を振り上げた
「今あなたは私が正論すぎて反論できないからそうやって力を行使して私を無理矢理黙らせようとするの?」
殴られる直前に男をまっすぐに見据える
男は戸惑ったが一拍ののち、うるせえと私の頬に見事に一発拳を入れた
久しぶりに殴られるなんてことをされ、殴られた頬をさする
ああ、ひりひりする。腫れなきゃ良いけど・・・
男には目もくれずただひたすら頬の心配をしていた私に腹をたてたのかもう一度殴りかかろうとした時だった
「何やってるの!?」
大きな白熊がやって来て私と男を阻んだ
男はベポを見ると居心地が悪そうにチッと口をつぐみ、もといた道を戻っていった
「あ、ちょっと待って」
男を追おうとするベポの腕を掴んだ
「けほけほっ、・・・大丈夫だから。追わなくていいよ」
男から離され、締まっていた首が解放され気管に空気を送る
「全然大丈夫そうに見えないよ!!頬だって腫れてるし・・・、まさか殴られたの?」
ベポは心配そうに私の頬に触れた
なんて優しい白熊なんだろう・・・
ベポの優しさに自然に笑みが零れた
「大丈夫。このくらい、・・・さっきの人の痛みはこれ以上なんだと思うし」
自分の憧れる船長がどこの馬の骨かも分からない女を部屋に招き入れ、更にその女は昼間全く働こうとしない、そしてそれを受け入れてしまってる船長
そのことが彼をどれだけ苦しめたのだろう
「でも・・・」
ベポは尚も反論しようとする
その頬にそっと触れてふわりと笑う
「だーいじょうぶだって。昔っから痛みには慣れてるし。だからトラファルガーさんには黙ってて貰えるかな」
ベポをじっと見つめる、その顔には困惑があからさまに表現されている
「なんで、キャプテンに見てもらったほうが・・・」
「うん間違いなく良いだろうけど、私自然治癒能力高いから自分で治すわ。だから絶対言っちゃダメ、私とベポの秘密ね?」
ベポの手を掴み私のおでこに当て、私の拳はベポのおでこにそっと当てる
「これさ、私の故郷の約束のおまじないなの」
「リオ・・・、分かった。キャプテンには秘密にしておくよ」
こくりと頷いたベポに安堵の笑みを浮かべ、甲板に向かった
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