Jewel Honey

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そして島に到着した




自然豊かなその島は、私がよく知っている土地だった




「クレナチス村・・・」




「お、よく知ってるな!!航路の地図でも見たことあるのか?」




昨夜一緒に見張り役をしたシャチさんが話かけてくる




「何度か来たことあるの。・・・じゃあ行ってらっしゃい」




ハートのクルー達を見送ろうとするとシャチさんが不満そうな声を上げた




「お前は来ないのかよー」




「私はこのあと寝る。眠いの、ふぁ・・・。夕方に行くから、合流場所を紙にでも書いといて・・・」




じゃあと、後ろ手に見送って医務室に入り、そのままベッドに倒れ込むように寝た




だから知らなかった、私の頭を慈しむように撫でる手の存在を



















「・・・ん、今、」



何時だろうと思い時計を見ると4時15分を指す時計の針



10時30に寝たから、今日は結構眠れた



と、不意に右手に感じる温もり



見ればそこには私よりも明らかに色の濃い腕



私の手はそれに繋がれていた




・・・繋がれていた?



私が・・・?




「なんで・・・」




寝てたとは言え、仲間以外が触れたらすぐ起きるのに・・・



私のベッドに顔を埋め、寝ている人物をまじまじと見る




・・・カッコイイ人は寝ている姿もカッコイイのね



じーっとそのまま観察しているとびくりと肩が揺れ、俯いていた顔が上げられた




「・・・起きてたのか」




気高るそうな声に薄く笑った




「今起きたばっかり。それよりもいいの。あなたは島に下りなくて?」




「患者放って島巡りする医者がどこにいる。・・・島行くんだろ、さっさとしたくしろ」




っ!!



待っててくれたんだ・・・




「ほんと優しいな・・・」



ぽつりと零し、私は一人くすりと笑った





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